Pixel 4aの深刻なバッテリー問題、Googleが旧FW削除でダウングレード不可能に 日本では50ドルの補償を実施


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Googleが今月配信した自社スマートフォン「Pixel 4a」のソフトウェアアップデートにおいて、バッテリー消費で深刻な影響を及ぼしており、利用者の間で話題に。そうしたなかで、Google側が旧ファームウェアへのダウングレードを実質的に不可能にする対応を取っていたことが明らかになった。

今回のアップデートは「Pixel 4a Battery Performance Program」の一環として配信されたもので、バッテリーの最適化が行われるとされていたが、多くの端末においてアップデート後に「バッテリー性能の低下」を引き起こしたという報告が相次いた。

無理にダウングレードしようとするのは危険

グーグル側も本アップデートの配信を前に、事前に指定した一部の「影響を受けるデバイス」において、バッテリー性能や電池残量表示に不備が生じる場合があると説明。ソーシャルメディア上では特に深刻な事例として、わずか数十分~数時間しか持続しない状況も共有されていた。

このアップデートをめぐり、一部ではPixel 4aは発売から4年ほどが経過していることに絡めて、端末の更新を働きかけているのではないかとして、憶測をもと不信感が募っていた。

そして直近数日より、海外を中心にユーザーの間で話題になっているのが、Google側がアップデート以前にダウングレードするために必要な過去のファームウェアを削除したという内容だ。これまで、Pixel 4a(※5Gではない)向けにAndroid 13までの3年分のファームウェアを公開していたが、28日に確認してみると現在は2025年1月の最新版(TQ3A.230805.001.S2)のみになっているようだ。

https://developers.google.com/android/images?hl=ja

つまり、本来Pixelでは過去のファームウェアをやや難解な操作で導入することで、その当時のOS環境にダウングレードできたのだが、このファームウェアが削除されたため、一度アップデートしてしまうと個人の力ではダウングレードすることができなくなった格好だ。

この状況を機に、現ユーザーやこれを取り上げた媒体では「update of death」とも呼ばれ、不信感が強まっていた。なお、第三者が公開しているカーネルでダウングレードを試みようとする利用者もいるが、不正プログラムなどが含まれる場合もありうるため、セキュリティの観点からおすすめしない。

日本の対象ユーザーは50ドル相当が補償される

また、Googleはファームウェア削除の理由について正式な説明を行っていない。意図的に削除した可能性に加えて、一度アップデートした状態からのダウングレードは安全上の問題があると判断された可能性も存在する。

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https://developers.google.com/android/images?hl=ja#sunfish

なお、日本国内において、報告されている不具合が生じたPixel 4aユーザーにおいては、対象の端末である場合に50ドル相当の現金補償プログラムが提供されている(Googleストアで使えるクーポンなら100ドル相当)。対象端末であるかどうかについては、特設ヘルプページ内にIMEI(識別番号)を入れることでチェックできる。

Pixel 4a Battery Performance Program – Pixel Phone Help

著者 編集部 アニメ情報担当