ゲーム開発者の10人に一人が“過去1年でレイオフ”経験―ゲーム産業が直面する課題…GDC調査


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Game Developers Conference(GDC)が今年3月に開催されるを前に、運営団体が年次のゲーム業界動向調査の結果要旨を発表した。3,000名以上の開発者や業界関係者を対象に実施された今回の調査では、レイオフ(人員削減)の継続的な影響や生成AIの導入拡大、そして気候変動など、業界が直面する課題を取り上げた。

調査ではまず、レイオフに関する内容が紹介され、過去1年間で11%のゲーム開発者がレイオフ・解雇を経験していると回答した。経験ありと回答した内訳ではゲーム制作、特にナラティブ部門で19%と最も高い影響を受け、一方で経営・財務部門では6%と比較的影響が少なかった。

レイオフの理由として、22%が「組織再編やリストラ」、18%が「収益低下」、15%が「市場・業界の変化」を挙げている。そして、現状で自身に影響がなくとも、29%が直属の同僚が解雇されたのを目にしたことがあると回答したという。

生成AI、資金面、自然災害などにも懸念

そして近年飛躍的に成長し、クリエイティブ分野での活用が進む「生成AI」に関しては、業界への悪影響を懸念する声が前年比12%増の30%に達した。知的財産権の侵害に加え、コンテンツの品質低下などが主な懸念事項として挙げられている。

また、52%の企業が既に生成AIを導入しており、36%の開発者が実際に使用していると回答。ただ、利用していると回答した層は財務部門、リーダー、マーケティング、PRなどと、クリエイティブへの応用は多数を締めていない可能性もある。

開発プラットフォーム関連では、近年の動向として「PCゲーム開発の急激な成長」を挙げており、実際にPC向けタイトルの開発が前年の66%から80%に急増舌と報告。また、ブラウザゲームの開発も16%と、過去10年で最高の関心を集めているという。

そして大手のAAAタイトル開発スタジオの3分の1がライブサービスゲーム(オンラインプレイなど)の開発に携わっている一方で、41%の開発者がライブサービスゲームへの関心がないと回答。市場の飽和や持続可能なプレイヤーベースの構築の難しさを主な懸念として挙げた。

GDC 2025 State of the Game Industry Report

また、先日のカリフォルニア州における大規模火災にあった通り、自然災害に対する心配も広がっているようで、16%の開発者が自然災害による影響を報告しており、その73%が洪水、ハリケーン、暴風雨などの水害関連の災害を挙げている。開発者会議GDC 2025は3月にサンフランシスコで開催される。

著者 編集部 経済・社会担当
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