日本マンガ・アニメ市場、全世界で3.7兆円規模と試算「ワンピース」だけで年間3,000億円弱 新IPも成長


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一般社団法人MANGA総合研究所が8日に公表した、マンガ・アニメIPの市場規模に関する包括的調査結果によると、日本発のマンガ・アニメIPの世界市場規模を約3.7兆円と試算した。

調査結果によれば、市場の内訳はマンガ、映像、グッズの各分野がそれぞれ1兆円前後を占め、ゲーム分野が約0.5兆円となっている。特に海外市場の急成長が活発で、2022年時点で全体の約4割(1.5兆円)を占めており、2026年には国内外の比率が半々になると予測されている。

マンガやアニメを起点としたIPは他業種への活用が進んでいることが知られているものの、ゲーム、グッズ、ライブエンターテイメントなどを横断した市場調査は、これまで毎年継続する形では行われていなかったとして、本調査を「第0回」と位置づけ、試験的に公表している。

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個別作品の市場規模も明らかになった。『ONE PIECE』は年間約3,000億円規模で、そのうち2,000億円以上をグッズが占める。『呪術廻戦』は2022年時点で年間約1,000億円規模、『名探偵コナン』は累計3,500億円以上を記録している。主なトピックは以下の通り。

  • 『呪術廻戦』の市場規模は2022年時点で年あたり推計1,000億円弱規模。2023年11月以降はさらにモバイルゲームの売上が加わっている。
  • 『ONE PIECE』の市場規模は2022年時点で年あたり推計3,000億円弱に上るとみられ、うち2000億円強をグッズが占める。
  • 『名探偵コナン』の市場規模は累計で3500億円以上、2022年単年だと200億円の規模と推定。映画の影響が他作品と比べ大きい
  • 『進撃の巨人』の市場規模は2009年〜直近の累計で1000億円規模以上と想定、コミックやコンソールゲームの貢献度が大きい、連載終了後の2022年単体でも200億円の規模と推定
  • 『俺だけレベルアップな件』の市場規模は2018年〜直近で100億円程度の規模と推定、続編や映画のリリースも発表されており今後さらなる成長が見込まれる

成長が著しい分野としては、海外でのマンガ市場と映像配信市場を挙げており、年間15-18%程度の成長率を示している。また、今後の成長が期待される分野に「ゲームと海外グッズ市場」があるとして、特にゲーム分野では任天堂関連IP「以外」のマンガ・アニメIPに大きな成長余地があるとされる。

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調査内容の一部抜粋「訪日観光客の好きなマンガ・アニメ」

本調査は、エンタメ社会学者の中山淳雄氏やサクラス株式会社の池上真之氏らが研究として参画している。調査結果の一部は本日13日に開催されるカンファレンスIMART2024の基調講演で発表される予定のほか、翌年1月にレポート販売を予定している。

※「俺だけレベルアップな件」のアニメは国内幹事社が製作を担当していますが、原作は韓国IPです。初稿時タイトルは誤認を含む可能性があるため、修正いたしました。
※アイキャッチ画像はタイの書籍・文具小売大手「B2S」店舗にある日本マンガコーナー(東部チョンブリー県パタヤ)

市井

著者 市井
オタク総研媒体統括 兼 合同会社サブカル通信社執行役社長。専門領域はアニメ、テクノロジー(ガジェット)、プログラミング、コンテンツビジネス。PRプランニングやIP調達なども担当しています。新作アニメ、海外スマホ、東南アジア好き。
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