iPad超えの特大画面!新型タブレット「Galaxy S10 Ultra」価格相応の魅力は感じづらそう

サムスン電子は10月3日、タブレット製品の最新フラグシップモデル「Galaxy Tab S10 Ultra」を日本国内で発売しました。14.6インチの特大ディスプレイを特徴としつつ、価格は21万円~と高値設定になっている本製品ですが、実際に試す機会がありましたので、ミニレビューとして紹介します。
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iPadやパソコンもびっくりの大画面!動画視聴は迫力満点
Galaxyブランドのタブレットは「S」シリーズが主に展開されており、S10は2023年に発売された「S9」の後継モデル。本稿で紹介する「S10 Ultra」もS9 Ultraの後継機に位置づけられており、なんといっても14.6インチという大型なディスプレイサイズが特徴です。
ディスプレイは1,848 x 2,960の有機EL。本機より新たに搭載された反射防止コーティングにより、屋外での視認性も改善されています。14.6インチとなると、他のAndroidタブレットや「iPad」を凌駕するのはおろか、ノートパソコンよりも大きい場合もあるほどの大画面です。

横幅はA4のクリアファイルよりも大きく、A4変形の電子書籍を表示してみるとほぼ等倍サイズで表示されます。アスペクト比も16:10となり、側面に配置されたクアッドスピーカーとともに、動画視聴などのエンターテイメント用途で大迫力を演出します。


ただし、大画面が故に重量は718グラムとタブレットとしては重すぎる部類。本稿のために手持ちの写真を取ったのですが、とても手が痛くなるほど。そのため、両手で手に持ったり、別途後述のスタンドを使用するのが前提となります。とはいえ、前モデルから「厚さ0.1mm削減」という進化も果たしているそうです。

より薄く!ペン付属でクリエイティブの幅が広がる
プロセッサについては、前モデルのSnapdragon系統からメーカーが変更に。MediaTekのDimensity 9300 Plusシリーズを搭載しており、マルチタスクからゲーミングでも安定した高性能を担保します。バッテリーは11,200mAhを搭載しています。
そして、高価格帯のタブレットとして、筆圧検知に対応した「Sペン」が付属されているのも特徴です。デフォルトアプリ「Samsung Note」をはじめ、サードパーティソフト「Clip Studio」や「Goodnotes」でも遅延少なく快適に動作します。

…とここまで製品としてのポイントを紹介しましたが、正直のところ「価格にふさわしい魅力があるか」と聞かれると、そうは言い切れないです。サムスン側は製品紹介の参考資料でiPadとの比較を挙げており、同価格帯の「iPad Pro」と比較しても十分に張り合える性能をもっています。しかしながら、ソフトウェア面において無視できない「差」が存在します。

iPad超えには程遠い、Androidタブレットの「使い道ない」問題
本機はOne UI 6.1というAndroiベースのカスタムOSを搭載していますが、タブレットとしての最適化が依然不十分。これはAndroidタブレットが持つ長年の課題であり、主にビジネス用途で浸透しない最大のネックポイントでもあります。
ほとんどのアプリはスマートフォン用のUIを横長or縦長に無理やり拡張して表示しているため、ボタンを押すにも一苦労、大画面を十分に活かせていないです。もちろんGoogle純正アプリや「Notion」などの一部アプリはタブレット用に最適化されていますが、絶対数が少ない。何もサムスンが悪いわけじゃないんです。
サムスンもそうした現状は認識しているようで、アプリをウィンドウ表示にしてパソコンのように使えたり、画像のドラッグアンドドロップに対応したり、最大3つのアプリを同時に表示できたりと、生産性を高める工夫がされています。また、ブラウザはPC表示ができますので、ウェブサイトの表示が崩れるといった問題は心配いりません。

ただ、文書作成などのビジネス用途を考えると、ノートパソコンの代替としての利用は非現実的。専用アクセサリとして純正キーボードケースも販売されていますが、2万円台の下位モデルはトラックパッドが非搭載。トラックパッドを必要とする場合は、一般的なノートパソコンのような風貌にもなる49,610円の上位モデルが必要となります。サムスンは今年よりAI機能群「Galaxy AI」を推しており、とても便利ですが、もちろんそれらの活用も…なんとも言えません。

一方のiPadはタブレット専用OS「iPad OS」を搭載。スマホ向けiOSからの分離を行ったことで、Macのようなデスクトップ表示ができる、マルチタスクが可能などである程度ビジネスやクリエイティブにも対応しています。こちらも完璧からは遠いとの意見もありますが、Androidほどではない印象です。
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S10 Ultraは、前半で紹介した通りエンターテイメント用途やスタイラスペンを使って創作活動をする人など、大画面環境を求めるAndroidユーザーにとっては非常に魅力的な一台です。しかし、高価格の過度な期待ら禁物です。Androidの制約を十分に理解した上で判断したほうが良いほか、もし「もう少し画面小さくていい」場合はひとつ下のモデル「Galaxy Tab S10+」も検討してみてください。
※初稿時、アクセサリに関する表記に誤りがございました。訂正してお詫び申し上げます。