一部の広告ブロック拡張機能で「今後使えなくなる」旨の警告表示―絶滅は免れるもYouTubeでの対応難化か
Googleは直近より、同社が開発するWebブラウザ「Google Chrome」の新たな拡張機能規格「Manifest V3」の段階的な移行に伴い、一部の「広告ブロッカー」アプリケーションに「今後使えなくなる」旨の警告表示を始めている。
Manifest V3とはChrome上で動作する拡張機能アプリケーションの動作や制限を策定する仕様。「V3」はその名の通り2014年にリリースされた「Manifest V2」の後継として2020年にその存在が明かされ、「ユーザーデータの収集や追跡が制限」されることで、プライバシー保護につながるとアピールしていた。
しかし、発表直接より、広告やプロモーションコンテンツをブロックするいわゆる「広告ブロッカー」に対する事実上の引き締めであるとして、開発者の間で批判が殺到。当初予定されていた2023年内の移行計画一時頓挫する事態になっていた。
警告表示はV3移行によるもの。対応版も多くリリース
そして昨年11月、1年の見直し期間を経て本計画の進行を再開することが判明。今年6月にリリースしたバージョンよりManifest V2を「段階的に廃止」するとしており、2025年6月までには完全移行を完了する計画を新たに打ち立てた。
その一連の移行計画において新たな動きが見られたことが8月より開発者コミュニティで話題に。GoogleがManifest V3に非対応の一部拡張機能に対して「サポートされなくなる」とする警告メッセージの表示を開始した。
報告された表示対象の拡張機能は「uBlock Origin」などが挙げられており、当初は日本語での表示がなかったが、15日時点では対象の拡張機能ページにアクセスすると「この拡張機能は、Chrome 拡張機能のベスト プラクティスに沿わないため、まもなくサポートされなくなる可能性があります。」との表示が追加されていた。
なお、現在Chromeウェブストア上に公開されている拡張機能のほとんどはV3に対応しており、多くの場合は特段な対応は必要ない。しかし、広告ブロック機能においては「V3だとYouTubeの表示がおかしくなる(黒画面が数十秒流れる)」との報告もあり、V3完全移行による影響は少なからず見込まれる。
なお、V3完全移行の計画はあくまでGoogle Chromeの話であり、Microsoft EdgeやVivaldiなどの他社製ブラウザの一部は「V2サポートを継続する」予定であり、海外コミュニティでは「Firefoxに移行だ!」などと車に飛び移るパロディ画像が作成されるなど、今後の動きにも注目される。