東宝、直近決算でアニメ事業が79%増と成長…配信、グッズと多面的に“稼ぐ”強み「ヒロアカ」貢献で顕著
東宝は16日、2025年2月期第1四半期決算(2024年3月1日〜5月31日)にて連結業績を発表した。営業収入は前年同期比15.9%増の859億7,600万円、営業利益は同34.1%増の245億7,600万円となり、四半期ベースでの増収増益を達成した。
この好調な業績を牽引したのが映画事業に内包する映画営業と映像事業で、特にアニメ部門も内包する後者は前年同期比138.8%増の64億1,800万円の営業利益を計上。
映像事業では、アニメ製作事業においてTOHO animationブランドの動画配信や商品化権等の各種配分金収入が業績に貢献。商品展開では「劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦」「名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)」のパンフレットやキャラクターグッズの販売が好調。事業全体として、大幅な増収増益となり全体の業績を牽引したという。
なかでもアニメ部門は利益を構成する様々な営業形態の内訳も提示されている。配信収入は「僕のヒーローアカデミア」を主軸に「呪術廻戦」「呪術廻戦」「SPY×FAMILY」「葬送のフリーレン」「薬屋のひとりごと」などの好調も寄与し、前年同期比70.4%増の伸長を見せた。グッズの商品化権をはじめとするキャラクターライセンス収入も「僕のヒーローアカデミア」「呪術廻戦」が牽引し、同4.1%増の16億8,800万円となった。
そして、劇場公開収入は同四半期公開の「劇場版 ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦」の大ヒットにより、同122.0%増の41億2,000万円を記録。このほかにもすべての構成項目が増加、アニメ事業全体の営業収入は同79.6%増の146億2,100万円に達した。
東宝は新たな経営計画として「TOHO VISION 2032 東宝グループ 経営戦略」を掲げており、アニメ事業をさらに強化する方針を示している。新規IPの開発と既存IPの持つ多角的な活用を通じて、国内外でのさらなる成長を目指す。
©堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会