IGポート、制作業務で大幅損失も『SPY×FAMILY』『ハイキュー』大ヒットで版権利益+280%、過去最高益と絶好調


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アニメーションの企画・制作などを行うIGポートは12日、2024年5月期の通期決算(’23年6月〜’24年5月)を発表。売上高が前期比6.1%増の118億4,100万円、営業利益が同23.6%増の12億2,500万円と増収増益となり、過去最高益を記録したことがわかった。

同社は映像作品の制作及び、これらIPを活用した版権事業を行っており、うち前者では「Production I.G.」「WIT STUDIO」を筆頭に著名スタジオを擁する。同スタジオでは現在、TVアニメ作品として「SPY × FAMILY Season 3」「しかのこのこのここしたんたん」「シンカリオン チェンジ ザ ワールド」など、配信アニメ作品として「THE ONE PIECE」「君に届け 3RD SEASON」「ムーンライズ」「ターミネーター」などを制作、一部は納品に向けて現在でも制作中。

多数のヒット作を生み出し続ける同事業だが、当期は物価の高騰により人件費やCG制作費、外注費等が高騰、制作期間の長期化により、一部の作品については受注損失引当金を計上する作品もあったと報告。結果として、セグメント売上は微増したものの、9億4,005万円の営業損失を計上した。

損失となった制作事業の一方で、好調だという版権事業については「ハイキュー!!」「SPY×FAMILY」「進撃の巨人」「攻殻機動隊」等のシリーズタイトルを中心に、二次利用による収益分配を計上。なかでも劇場上映した「劇場版 ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦」は興行収入100億円を超えるヒットとなり、大きく貢献。結果としてセグメント売上は前期比62.1%増、営業利益は同282.4%と大幅な成長を遂げた。

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版権別売上構成比は「SPY×FAMILY」がもっとも大きく22.3%、次いで「ハイキュー!!」が29.1%と2作品で全体の四割を占めている。各作品の現況は以下の通り。

【SPY×FAMILY】配信をはじめ、関連商品ライセンス・セールスプロモーションが好調に推移。国内興行収入は62.6億円。海外での公開も好調に推移し海外販売のMGを計上、計画対比大幅増。
【進撃の巨人】2023年11に『The Final Season完結編(後編)』が放送。配信をはじめ、関連商品ライセンスが好調に推移。計画対比増。
【ハイキュー!!】劇場版公開に伴い、グッズをはじめとする関連商品ライセンスが好調に推移。国内興行収入は112億円突破。海外上映収入も順調に推移。24/5は国内上映収入を計上し、25/5に海外販売のMGを計上予定。
【PSYCHO-PASS】劇場作品の海外配信や国内商品化が好調に推移。また、劇場展開による既存シリーズの配信も好調に推移。計画対比増。
【攻殻機動隊SAC_2045】関連商品ライセンスや
ゲームコラボライセンスが好調に推移。計画対比増。
【魔法使いの嫁】第1シーズン(2017年放送)の海外配信売上が好調に推移。計画対比増。

オタク総研編集部

著者 オタク総研編集部
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