dアニメストア、直近業績は増収 「440円→550円」値上げ寄与か、アニメ総合サービスへの変容図る


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アニメ専門動画配信サービス「dアニメストア」を運営する株式会社ドコモ・アニメストアの2023年度の売上高は161億1,600万円となり、前期に比べ2桁幅での増収を記録していたことがわかった。19日に「官報」に掲載された決算公告により明らかになった。

dアニメストアでは2023年3月に会員サービスの月額料金を440円→550円(いずれも税込)に改め、25%の値上げを行ったことで注目を集めていた。今回明らかになった昨年度業績では、売上高が131億2,500万円→161億1,600円と23%程度の増収となり、値上げ幅に沿う数値に。

dアニメストアはドコモとKADOKAWAの提携により2012年にスタートしたアニメ専門動画配信サービス。ストリーミング市場の拡大とともに成長を続けるほか、配信ラインナップの拡充にも努め、2024年春クールには「Lv2からチートだった元勇者候補のまったり異世界ライフ」「神は遊戯に飢えている。」「Unnamed Memory」「この素晴らしい世界に祝福を!3」「怪異と乙女と神隠し」「デート・ア・ライブⅤ」といった、KADOKAWA出資作品を中心に先行配信などを行っている。

dアニメストアではアニメ視聴に加えてグッズ販売の取り扱いも行っており、そちらの推移については明かされていないため、値上げによる増収とは言い切れない一方で、少なくともその効果はあると見られている。また、2023年7月からはアニメ作品に関連する書籍(原作コミックス等)の電子販売も始まっており「アニメ専門動画配信サービス→アニメ総合サービス」への変容を遂げる狙いも見られた。

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なお、利益面では純利益が14億3,200万円→12億3,700万円と減益となっており、新規の取り組みによる費用などが先行している可能性も示唆されている。

市井

著者 市井
オタク総研媒体統括 兼 合同会社サブカル通信社執行役社長。専門領域はアニメ、テクノロジー(ガジェット)、プログラミング、コンテンツビジネス。PRプランニングやIP調達なども担当しています。新作アニメ、海外スマホ、東南アジア好き。
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