ゲーム実況動画の“開発者への収益還元”問題、新作インディーゲームのアイデアに「賢い」感心集まる


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YouTubeを筆頭に動画配信や生配信による「ゲーム実況」が一大コンテンツになって久しいなか、一部からは「ゲーム開発者への収益還元」が必要とする意見が長らく見受けられるが、先日配信を開始した新作推理ゲームに導入された試みが注目されている。

ゲーム開発者のSCIKA氏が7月5日にSteam上で配信開始した新作「Inverted Angel」は、自宅まで押しかけてきた“恋人”を名乗る見知らぬ女性とインターフォン越しに会話をしていく、ミステリーを基調にしたPCゲーム。プレイヤーとの応答にはOpenAI社が提供するAPIが用いられており、より本格的な推理体験が可能になるとして、早くも「実況プレイ」がVTuberや配信者から投稿されている。

楽曲を使って実況動画を判別する上手な方法

そんな同作だが、Steamのストアページには「動画配信ガイドライン」が掲載されており、動画や配信タイトルにゲーム名を、概要欄にSteamページURLをそれぞれ記載するよう呼びかけている。さらに、配信サイトでの収益化については「制限はございません」としつつも、「最終エンディングを配信する場合、ゲーム音声はミュートしないようにしてください。」と留意事項を伝えている。

後者の項目には本作の最終エンディングの概要も掲載されており、Contents IDを通じて広告収益の一部が開発者に分配されるようになる。Contents IDとは、動画に含まれる著作物を自動的に認識するYouTubeのシステムで、自分の著作物を登録することで、第三者がアップロードした動画にその著作物が含まれていると、対象動画からの収益還元などが可能になる。

今回のケースでは、最終エンディング時に本作の主題歌が再生される仕組みになっており、この楽曲がContents IDに登録されることで、間接的に実況者→開発者への収益還元を実現する。この仕組みについてネットでは「賢い」「天才的発想」といった意見が寄せられており、浸透を望む声も見受けられたが、Contents IDの著作物登録などを行うには一定のYouTubeでの活動も必要で、誰もが今すぐ始められる訳では無いため、その点はご注意。

なお、収益還元の動きとしては、広告収益を開発元と動画制作者との間でシェアするサービス「Nintendo Creators Program」を任天堂が展開していたが、2018年に廃止。以降は所定のガイドラインに遵守することで比較的自由に配信が可能になってた。

オタク総研編集部

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