総合商社・丸紅、小学館と共同でマンガ・アニメ事業の合弁会社設立 海外展開を推進、機会損失の打開図る


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大手総合商社の丸紅は27日、出版の小学館とともに、日本のマンガ・アニメコンテンツに関連する新たな合弁会社「MAG.NET社」を設立すると発表。新設会社を通じて両社はグッズ開発や販売流通網の構築をはじめとした、海外展開をすすめる。

今日、アニメやマンガ、ゲームといったコンテンツ産業の国外市場は急拡大を遂げており、マーチャンダイジング等の後押しもあり2022年には4.7兆円規模に成長するとの試算も成されている。その中で、政府は2033年までに日本のコンテンツの海外市場規模を20兆円にする戦略「新たなクールジャパン戦略」を設定。過去に大きな損失を計上した「クールジャパン機構」の反省も踏まえ推進する。

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「株式会社MAG.NET」概念図

しかし、日本のコンテンツの海外での販売チャネルはまだ十分に確立されていないのが現状だとしたうえで、両者は「魅力的なコンテンツが世界中のファンに届かず、機会損失が生じている」現状を指摘。加えて、海賊版商品を生み出す一因ともなっており、正規品を確実に届ける体制が求められているとした。

こうした状況を打開すべく、両者は「MAG.NET社」を通じて、日本のコンテンツの価値を最大化することを目指す。具体的な取り組みとしては、マンガ・アニメコンテンツを用いたグッズの開発・小売店舗での販売や海外での販売流通網の構築があるとして、最新テクノロジーを活用したデジタルコンテンツの開発も行う。

市井

著者 市井
オタク総研 媒体統括。専門領域はアニメ、テクノロジー(ガジェット)、プログラミング、コンテンツビジネス