静岡県、「ゆるキャン」コラボで約5億円の経済効果 約半数が県外来訪、推計発表

静岡県は29日、2024年10月から翌年2月にかけて実施したTVアニメ『ゆるキャン△』とコラボレーションしたスタンプラリーについて、県内への経済波及効果が約5億円(4億9810万円)に上ったと発表した。県内外から8330人が参加し、過去に実施した同様のスタンプラリーの経済波及効果を上回る結果となった。
今回のスタンプラリーは2月28日まで実施されたもので、県内全域40箇所をスポットとして設定。参加者の内訳は県内在住者3891人、県外在住者4439人で、静岡県公式観光アプリ「TIPS」を用いた総スタンプ取得数は8万9321個だったという。
波及効果の数字は参加者にスタンプラリーで消費した金額を交通費や宿泊費などの費目別にアンケート調査した。産業部門別では、宿泊業などの「対個人サービス」が2億1585万円と最も多く、「運輸・郵便」が9707万円、「商業」が4902万円となり、幅広い産業に効果が波及した。
参加者1人当たりの平均消費単価は、県内在住者が3万5405円、県外在住者が6万1765円となり、いずれも令和3年度実施のスタンプラリーを上回った。
スタンプラリーの感想については、97.4%が「良かった」と回答した。その理由として「『ゆるキャン△』のモデル地をほぼ楽しめた」との回答が7割強を占め、「静岡県の知らなかった観光地を知ることができた」も半数を超えた。
県では県内各市町や関係機関と連携し、SNSや県民だより、各種イベントにおいて積極的なPRを実施したことが誘客や周遊の促進につながり、観光消費額の増加に大きく貢献したとしている。
『ゆるキャン△』は浜松市出身の漫画家あふろ氏による累計1千万部を突破した作品で、山梨県や静岡県などを舞台に女子高校生たちがキャンプや日常生活を送る様子を描く。2024年に放映されたTVシリーズ第3弾「SEASON3」では大井川流域を中心にストーリーが展開され、県内全エリアがモデル地として登場している。