さくらインターネット、最終利益予想を91.7%減と大幅下方修正 GPU大型案件終了が影響

さくらインターネットは28日、2026年3月期の連結業績予想を大幅に下方修正すると発表した。生成AI向けの大型案件終了により、GPUインフラストラクチャーサービスの売上成長が一時的に遅れる見込みとなったことが主な要因となる。
通期連結業績予想では、売上高を前回予想の404億円から365億円へと39億円減額し、増減率はマイナス9.7%となった。営業利益は前回予想の38億円から3億5000万円へと大幅に減少し、減少率は90.8%。経常利益は34億円から4億円へ、純利益は24億円から91.7%減の2億円へとそれぞれ大きく下方修正された。
上期予想についても同様に下方修正され、売上高は前回予想の176億円から160億円に、営業利益は7億円の黒字予想から11億5000万円の赤字予想へと転換した。
同社は修正の理由について、「継続を見込んでいた生成AI向けの大型案件終了の影響により、一時的にGPUインフラストラクチャーサービスの売上成長が遅れる見込み」と説明している。今期のGPU関連の売上予想を158億円から85億円に大幅に引き下げる一方、グループ会社による案件獲得などにより、その他サービスの売上予想を57億円から87億円に引き上げるとした。
今回8月には新型GPU「NVIDIA B200」の提供開始を予定しており、「将来の市場ニーズの成長に対応するGPUを十分に確保している」と強調。同社代表の田中邦裕氏は「原因は大口案件の終了ですが、GPUの物理サーバに寄りすぎたのが構造的課題」と言及している。
今後の戦略として、推論ニーズの急拡大などの市場変化に対応し、高付加価値型の多様なGPU基盤としてクラウド型の自社スパコンや生成AI向けプラットフォームなどの提供を挙げている。