楽天、ふるさと納税の“ポイント付与禁止”告示に反対署名運動 三木谷氏は「意味が不明」民間原資も規制に断固反対
楽天グループは28日、先日総務省から発表された「ふるさと納税へのポイント付与禁止」の告示について反対する旨を「代表取締役会長兼社長 三木谷浩史」の名義で表明し、自社サービス・楽天市場にて告示撤回を求める署名活動を開始した。
同日に公式サイトで公表された発表文では、地域振興や地域の自律的成長を支援するために「地方自治体に負担を求めない=民間原資」でのポイント等のプロモーションなどを通じて、ふるさと納税を推進してきたと、同社やその他ショッピングサイトでの取り組みを説明。
そのうえで、今回発せられた総務省の告示では、民間原資のポイント付与までも禁止する内容であったことに触れ「地方自治体と民間の協力、連携体制を否定するものであり、各地域の自律的努力を無力化するもの」「地方の活性化という政府の方針にも大きく矛盾」との見解を示した。当時に、施行の撤回を要求するために「皆さんの声を代表して政府、総務省に強く申し入れたいと思います」として、オンライン署名の実施を発表した。
楽天IDでワンクリック署名、利用者からの共感狙う
現在、「楽天ふるさと納税」のホームページには署名を求める特設サイトが設置されており、楽天会員であれば「ワンクリック」で署名が完了する。サービスに登録している利用者情報の名義を自動的に使用するといい、署名受付期間は9月30日までとしている。
本発表が行われた前日、27日夜には三木谷氏が自身のXで本件を報じたニュースを引用し「ふるさと納税にポイント付与を禁止! プラットホームが負担しているポイントも禁止とか、意味が不明だ」と怒りを顕わに。続けて「軽々とコンセンサスも取らず『ポイント禁止』とかいうやり方に憤りを感じる。政府はむしろこれを促進し、地方の自律を促すべきだ。」として、一方的な対応に断固反対の意向を示していた。
任意の地方自治体に納税を行いながら一定の還元率を満たす返礼品を受領できる寄附金税制「ふるさと納税」。それぞれの自治体の事業者が提供する返礼品は多岐にわたり、制度の利用者の多くは「さとふる」をはじめとした「仲介サイト」を使うことが多く、今回の総務省の告示はこれらのサービスでのポイント付与を禁止にするというものだった。
近年のふるさと納税人気の上昇とともに、仲介サイトが独自で展開する「ポイント還元プログラム」の競争が激化する現状をふまえ、還元するポイントの原資は自治体が仲介サイトへ支払う仲介料から捻出されていると総務省は見ており、本来の制度に則った運用をするための是正としての意図があると見られる。