「なろう」「カクヨム」大手小説サイトで相次ぎ“DDoS攻撃”被害、早期回復もカドカワの一件から標的の心配集まる
6月8日(土)より発生するKADOKAWAグループにおける大規模なサービス障害が注目されるなか、同時期より国内有数の「小説投稿サイト」が相次いでサーバーダウンなどの障害に見舞われており、心配する声が寄せられている。
たとえば、国内最大級のライトノベル投稿サイトである“なろう”こと「小説家になろう」はニコニコ関連でのサービス障害が発生した近辺より、一部のサーバーで過剰な負荷が検出されていたことを報告していた。
その後も断続的に同様の状況が続く中、昨日17日の18時ごろには「DDoS攻撃により小説家になろうトップページ及び作品投稿ページ等でアクセスし辛い状況」が発生したことが公式発表により分かった。運営元は即時に緊急メンテナンスを行い、動作不安定となっていたサーバーの改善を実施。18日早朝現在では正常化している。
※DDoS攻撃…複数端末から大量のパケットを送信し、故意にサーバーの安定動作を阻害する行為
こうした攻撃行為は多数の小説投稿サイトにおいて、過去1週間内で同時多発的に発生していることが話題になっており、KADOKAWAが運営する小説投稿サイト「カクヨム」は16日に「一時的に繋がりにくくなる問題」が起こっていた。
そして、16日から17日にかけては、個人運営の大手小説投稿サイト「ハーメルン」がなろうと同様に「DDoSアタックを受けている」ことを伝え、のべ7時間にわたり「ページを表示できない事象が発生」していた。同サイトでは現在、海外地域からのアクセスを遮断し安定化を図っているものの「DDoS攻撃自体は現在も規模をふやして継続している」とも伝えており、繋がりにくい可能性があるという。
出版業界をめぐっては、先にもある通り8日に発生したKADOKAWAグループ全体でのサービス障害が波紋を呼んでいる。SNSでは復旧までに1ヶ月以上かかるという「ニコニコ」に注目が集まっているが、KADOKAWAの中核事業である出版事業は「紙書籍の受注システム、デジタル製造工場・物流システムの機能を停止」「国内の紙書籍や電子書籍の編集・制作支援システムの一部機能が停止」するなど、大きな打撃を受けている。
こうした大きな出来事が遭った同時期に、国内大手の他社サイトでもサーバーダウンする事態が起こっていることから「なにかKADOKAWAと関係性があるのか」「手法が違えど、同業種のサイトに攻撃が相次ぐのは不気味だ…」などと、さらなる被害拡大を懸念する声も寄せられている。