UUUM、直近決算は“人事削減”で黒字回復 経営努力アピールも赤字3億…業績復調のカギは


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YouTuberタレントのプロダクション業務を行うUUUM株式会社は12日、2024年5月期の第3四半期(’23年12月~’24年2月)における決算を公表。直近四半期における営業利益は黒字に回復したことが明らかになった。

同日に公表された各種決算資料によると、当四半期での売上高は3%減(前年同期比、以下同)の49億2800万円と微減となった一方で、営業利益は1億1300万円を計上し、前年同期(▲1億3900万円)から黒字に転じた。理由について同社は〈人件費の削減や構造改革などの経営努力〉によるもと述べており、売上要因ではないと説明した。

四半期ベースでは黒字に転じた一方で、3四半期を連結した累積業績については売上高が15,8億円(7.8%減)、営業利益が40,94万円(91.7%減)、純損失は3億円を計上するなど、根本的な改善には至っておらず、応急処置的な対応担っていることが見て取れる。

事業面ではクリエイター関連商品の販売が好調だったことからマーチャンダイジング事業が伸長したものの、アドセンス(Google社による広告収益配分)や、ゲーム事業、イベント運営は不調を期している。特にアドセンスについては近年の「YouTubeショートの再生回数増加」による、収益還元の悪化が懸念されており、昨年の同時期にはこれを理由に業績見通しの下方修正を行っていた、

ショート動画の“収益性”がカギ?

ショート動画は通常の動画に比べ再生数が獲得しやすい一方、収益性は通常の動画に比べ劣る傾向にあり、YouTubeショートの場合は2023年2月から収益化が可能になったものの、クリエイターによる広告挿入のコントロールが出来ないことから、収益性には未だ乏しいことで知られている。

同社これらの外的要因を受けて「ショート動画の収益性向上(音源配信等)」「マネジメント集約による生産性の向上」「関連子会社によるゲーム事業やグッズ等のコマース事業の展開」などの施策を行うとしており、”脱アドセンス”も念頭においた、安定的な収益基盤の構築を目指していた。

また、こうした一連の業績不振の背景から、直近にはフリークアウトによるTOB(株式公開買い付け)を受けるなど経営面でも大きな転換を迫られており、次回7月頃に発表が見込まれる通期決算や株価に注目される。