ゲーム攻略サイト「GameWith」運営、直近純利益は大幅赤字 中核の不振や“ゲーム特化光回線”先行投資が重荷


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ゲーム攻略サイト群「GameWith」などを展開する株式会社GameWithは10日、自社の2024年5月期第3四半期(’23年12月〜’24年2月)の決算を公表し、四半期累計での業績を発表。新規事業の伸長により売上高は27.01億円と3.1%増(※)の増収となったものの、メディア事業の不振などにより営業利益は1.14億円と53.8%の大幅減益、純利益は▲2.72億円を記録した。

GameWith社はゲーム情報メディア、いわゆる攻略サイトと呼ばれる「GameWith」の運営を中心に展開しており、近年は市場規模の拡大が見込まれるeスポーツや注目を集めているNFT領域、eスポーツ向けの光回線事業などについても積極的に投資している。

しかし、中核のメディア事業については、当期第2四半期より売上に鈍化が見られ、第3四半期の累計売上高は17.47億円と4.4%減に。理由について同社は、スマホゲームの新作リリース本数や広告費の減少などの外部環境の影響を受けたことに加えて、広告単価の急落によるものだと説明。結果として、全社の売上高、営業利益、経常利益は期初計画よりも下回る見込みとなった。

これに嵩む形で、新規事業の開拓においても先行投資が増加したことで短期的な利益は減少。特にeスポーツ事業を手掛ける子会社のDetonatioN社では自社チーム「DetonatioN FocusMe」に関する提携などで、のれんや固定資産等に係る減損損失を計上することとなった。

また、同じく新規事業として投資を続けている、eスポーツプレイヤーやゲーマーに特化した光回線「GameWith光」についても「設備投資も不要であり、安定した利益確保が可能なビジネスモデルを実現」と説明する一方、プロモーション等の獲得コストが先行してかかる構造により、短期的には損失を計上。ユーザーが増えれば将来的に当社の大きな利 益源になるとした上で「中長期的には大きな利益を生み出す」と投資家向けには説明しているが、損益分岐点の到達見込みについては開示していない。

※四半期累計、前年同期比での変動

 

市井

著者 市井
オタク総研媒体統括 兼 合同会社サブカル通信社執行役社長。専門領域はアニメ、テクノロジー(ガジェット)、プログラミング、コンテンツビジネス。PRプランニングやIP調達なども担当しています。新作アニメ、海外スマホ、東南アジア好き。
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