グリーFY23通期、エンタメ事業は「ヘブバン」反動の影響大、急成長のメタバース事業は数年内の黒字化視野
ソーシャルゲームの開発などを手掛けるグリー株式会社、2023年6月の通期決算を公表。グループ連結の通期売上高は754億円、営業利益は125億円に着地し、前年比増収増益を記録したことが分かった。(本情報は8月3日に公開されたものです)
同日公表された決算資料によると、インターネット・エンタメ事業は大幅な減収減益となった一方、投資事業の大幅な増収増益により、全体として業績は堅調に推移している。
インターネット・エンタメ事業における大幅な業績後退の理由について同社は、中核となるゲーム・アニメ事業において前期(2022年2月)にリリースし大反響を得ているスマホゲーム「ヘブンバーンズレッド」の反動が大きく影響していると説明。
同社はスマートフォンゲーム市場において「開発プロジェクトの大規模化により、利益を出しづらい市場構造になってきている」との見解を示しており、今期の同事業の業績予測では、引き続きIPの創出及び育成に注力しつつ、新規スマートフォンゲームの貢献を織り込まない前提では減益となる見通しを示している。(=説明会質疑応答より)
また、近年中核事業の一つになりつつあるメタバース事業については、グループ子会社が運営するメタバースプラットフォーム「REALITY」の成長が顕著に。83%とあう高い海外ユーザー比率が特長で、海外売上比率を伸ばしつつ
メタバース事業の今後に関しては引き続きグローバル展開やアライアンス強化による収益性強化を推進し、FY26ではメタバース事業内の4事業すべてが黒字化し、グループ全体への貢献を目指す見通しを立てている。
なお、同社は今後の報告セグメントの改編を行っており、「インターネット・エンタメ事業」に属していた「ゲーム・アニメ」「メタバース」「DX」「コマース」の各事業を単独セグメント化、「登場・インキュベーション事業」を「投資事業」に改名し、の5つのセグメントとなる。