カドカワ、優れた原作IPの創出求め「国際漫画賞」設立 国籍問わず世界から才能発掘へ
KADOKAWAは11月28日、世界中から応募できる国際漫画賞「KADOKAWA WORLD MANGA CONTEST」を新設し、募集を開始した。
同社はグローバル・メディアミックス方針を掲げ、創作支援を強化するなかで、2024年にはセリフを用いない言語非依存の表現に焦点を当てた「ワードレス漫画コンテスト」を初開催。104の国と地域から1,126件の応募が集まった。
こうした海外での予想を上回る反響を受けて、今年はセリフ”あり”の作品も対象とする形でコンテストを拡大。日本語、英語、スペイン語、フランス語、中国語(繁体字)の5言語に対応し、より幅広い参加を促す。
募集部門は、セリフを用いる「漫画部門」と、従来通り言語を使わない「ワードレス漫画部門」の2部門で、国籍、居住地、年齢、プロアマ、個人、チーム、法人など問わない自由な応募資格が設けられている。

金賞には1万ドル、銀賞に5,000ドル、銅賞に3,000ドルを授与するほか、編集部が商業作品化に向けた制作支援を提供する。受賞者はリモート会議やメールを通じて継続的な編集サポートを受け、日本国内での連載準備を進めることができるという。応募期間は2026年3月31日まで、発表は2026年5月頃を予定している。
KADOKAWAは海外作家の支援強化を目的に「海外マンガ編集部」を新設。国際的な作品開発や展開支援を担う専門組織として機能させているといい、編集長・瀬川昇氏は、「前回は目標の3倍以上の応募をいただき、世界中にこれほど多くの才能がいることに驚かされました」とコメント。「今回はスケールアップした形で開催し、入賞者を日本デビューまで継続的にサポートします。将来的には各国のグループ拠点と連携し、世界中で作品が読まれる環境をつくりたい」と意気込みを示した。