カドカワの出版部門、今後は「本の価格改定」「漫画ラノベの注力」検討へ 業績低調を受け方針発表
株式会社KADOKAWAが6日に公開した2025年度上半期の業績説明によると、出版・IP創出事業の売上高は723億1600万円で前年同期比0.2%減、セグメント利益は2億5800万円で同94.1%減であることを報告した。
同事業では書籍・雑誌・電子書籍・電子雑誌の出版販売、権利許諾等を展開。年間約6,000タイトルの新規IPを創出しており、上半期に創出した新規IP数は前年同期比9.6%増加した。
書籍・雑誌はアジアでの好調が継続したことに加え、直近1年間に設立した新規拠点の貢献もあり海外事業が増収となった。国内では市場縮小が継続するなか、サイバー攻撃による減収影響が大きかった前年同期の反動で増収だったが、「実力ベースでは減収」と言及した。
また、電子書籍・電子雑誌では、前年同期に他社ストア向け販売において速報データに基づく見積計上による増収効果が大きかったこともあり減収となった。

利益面では、前四半期の電子書籍における減収影響が大きかったことに加え、人件費の増加もあり、セグメント全体として減益となった。
同社はこれらの上期実績を踏まえ、今後の方針を発表。国内の出版事業における事業効率性の改善とさらなる成長への注力のため、下記の件について検討を推進すると公表した。
- さらなる価格改定の実施
- 宣伝施策と費用の最適化
- 少部数タイトルに係る戦略見直し
- 組織再編を含めたコミック・ライトノベルジャンルへの注力と収益最大化
- →専門の担当執行役を起用し「コミック・ライトノベル 事業グループ (仮称)」を設置