変わり種“AI録音イヤホン”に新作 オープンイヤー型で進化した実力を試す【viaim OpenNote】
新型オープンイヤー型ワイヤレスイヤホン「viaim OpenNote」が11月19日からAmazon、ビックカメラ、ヨドバシドットコムなどの国内各種ECにて発売された。価格は32,800円(税込)で、GrayとBlackの2色展開となっている。
本機は弊誌で以前紹介した、AI録音機能を搭載したカナル型イヤホン「RecDot」のオープンイヤー型バージョン。その最大の特徴は耳をふさがないオープンイヤー型でありながら、AIを活用した高度な録音・文字起こし機能を搭載している点だ。
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前モデル同様の文字起こし機能を備えながら、長時間装着しても痛くなりにくい快適なフィット感を兼ね備える。
多彩な録音モードで豊富なシーンに対応
viaim OpenNoteは、用途に応じて選べる4種類の録音モードを搭載している。
まず基本となるのが、ネットワーク接続なしでも録音できるFlashRecord(現場録音)機能。スマホ不要、イヤホン単体で録音することができ、音声データはそのままイヤホン内に保存される。
リアルタイムでの処理ではないものの、録音後はスマートフォンに接続すれば文字起こしや翻訳が可能になるため、咄嗟に必要になった会話や通話を逃さず記録でき、様々なシーンで活躍する。
次に注目したいのが多言語モード(ベータ版)によるリアルタイム翻訳&録音機能で、前回販売されたクラウドファンディング時よりも機能向上が図られている。
こちらは最大3言語の認識に対応しているといい、中国語・英語・日本語が入り混じる会議でも、リアルタイムで目標言語へ翻訳できる。実際、中国語話者と英語話者がいるインタビュー現場での録音を使ってみたところ、しっかり言語を認識した出力ができていた。

また、文章を相手が連続して発音した場合でも、センテンスごとに翻訳するのではなく、喋りながらリアルタイム(文構造ごと)で日本語訳してくれるため、タイムラグも感じづらく、ストレスフリーな印象だった。
そして、デバイス上で再生されているシステム音声の録音にも対応。同様にリアルタイムで保存することができるほか、画面オーバーレイで文字起こし結果、翻訳結果をリアルタイムで表示してくれるのはビデオ通話などで真価を発揮しそうだ。
もちろん新語や固有名詞に弱いという文字起こし全体の改善点はあるが、デュアルマイクとAIアルゴリズムによるノイズ低減などが寄与しており、他サービスを上回る程度のクオリティは担保されているように感じた。
RecDotとの違いは?オープンイヤーの優位性
前モデルのRecDotと比較して、最も大きな違いはやはり装着方式。本シリーズは録音に特化した製品であるため、耳が密閉されるカナル型よりも、周囲の音が聞こえるオープンイヤー型の方が圧倒的に使いやすいように感じた。
また、実際に使用してみると、会議や商談中でも周囲の状況を把握しながら録音できるため、自然なコミュニケーションが可能だった。チタンメモリーフレームを採用しているため、長時間装着しても耳が痛くなりにくい。
個人的には、RecDotよりも使いやすく感じられた。
議事録生成も…録音後の活用も見どころ
本機は文字起こしが備わっているので、録音後の使い方もポイント。録音したデータは録音完了後にすぐにオンラインを通じてSTT(Speec to Text)処理が行われ、文字起こし結果を見ることができる。
テキストはすぐにファイル出力することができるほか、生成AIを活用した機能として「要約」「マインドマップ」「ToDoリスト」を生成することができる。LLMと連携することで、会議の会話履歴をもとに「これから何をすべきか」「会議(会話)の要点」を手作業なしで提案してくれ、ブレインストーミングにも活用できるという。

その他実用性も高く、2台同時接続に対応しているため、パソコンで動画やオンライン会議をしながら、スマホの着信にも自動で切り替えられる。バッテリーも充電10分で最大3時間再生、単体19時間+充電ケース併用で最長53時間駆動と長時間使用に対応している。
「プラン制課金」「セキュリティ」にご注意!
なお、導入を検討する際に注意したいのが文字起こしのフローで、録音データの文字起こしは外部サーバーで処理される。今年5月から日本リージョンにサーバーが移転して運用されているというが、Pixelシリーズのようにオンデバイスで処理できないのは難点。機密性の高い情報を扱う場合は慎重に検討すべきポイントとなっている。
また、無料で文字起こしできるのは月600分までで、それ以降は月額製の有料と買い切りモデルではない。個人的な使用であれば10時間丸々使い切ることは少ないため、特段大きなデメリットではないと感じたが、ヘビーユーザーの場合は注意しておきたい。
多言語対応、話者識別、マインドマップ生成、LLM連携など備え、録音という本来の目的に対してより自然で使いやすい製品に仕上がっている本機。セキュリティ面での注意点はあるものの、適切な用途で使用すれば非常に有用な製品だろう。




