AIボイス生成サイト「にじボイス」提供終了へ 日俳連が複数削除要請「法的な権利侵害ない」中の判断と説明
DMM.comグループで生成AIを活用したサービス展開を手がける株式会社Algomaticは21日、自社の音声生成プラットフォーム「にじボイス」の提供を2026年2月4日をもって終了すると発表した。
同サービスをめぐっては、日本俳優連合が9月29日にサイト上で提供していた33体のキャラクターボイスが組合所属の実演家の音声実演に似ていると指摘し、削除要請を出していた。
その後、同社は社内で再調査を行った結果「法的な権利侵害は確認されなかった」としつつも、実演家や関係団体に懸念を生じさせることは本意ではないと判断し、該当する33体のキャラクターボイスの提供を終了した。
そして、先日11月17日にサービス側が追加した20体のキャラクターボイスについても同連合から同様の削除要請を受領。こちらについても法的な権利侵害は確認されなかったが、同社は「『にじボイス』は声の権利を守るためのプラットフォームとして立ち上げた経緯がございます。『声が似ている』とご本人等が不安に思っていらっしゃるのに、それは、主観であるという主張をすることが、生身の人間に対してどう感じられるのか、と言う問いを何度も考え続けました」と説明している。
こうした状況を受けて同社は「私達は、AIと人とが、ぶつかりあうのではなく、より良い世界をつくるために、会社を経営しております。その信念を考えあわせた時に、『にじボイス』のサービス全体の終了をすることを決定いたしました」とし、サービス全体の終了を決断した理由を明らかにした。
法的な権利侵害がない中でのサービス終了について、利用者からの批判を受けることは承知の上としながらも、「ご不便ご迷惑をおかけすることについては、弊社側の全責任であり、日本俳優連合様への誹謗中傷は、どうかお控えくださいますようお願いいたします」と呼びかけている。