ゲーム開発上場企業がまたも「暗号資産購入」発表 オルトプラス、5年で91億円投じる方針


ゲーム開発上場企業がまたも「暗号資産購入」発表 オルトプラス、5年で91億円投じる方針
Image by Traxer

モバイルゲーム開発運営企業の株式会社オルトプラスは20日、暗号資産の購入・運用事業(トレジャリー)を新たに開始する旨を取締役会で決議したと明らかにした。中長期的な企業価値の向上と財務基盤の強化を目的としたもので、2026年1月からの事業開始を予定している。

経営状況は「12期連続赤字」暗号資産事業に前向き

オルトプラスグループはゲーム開発における自社配信タイトルの開発強化や有力IPの獲得など事業強化を図っていたが、主力タイトルのユーザー課金額減少やIP獲得コストの上昇、開発の長期化などにより、2025年9月期の本決算は売上高28.97億円(前年比17.6%減)、営業損失4.67億円と減収減益で着地した。

上場来、12年連続での営業損失を記録しており、同社株価は60円台を推移している。

こうした状況を踏まえ、同社は収益基盤の補完や余資の効率的活用による資金の安定的確保を見据えた新たな財務戦略として、暗号資産の取得・運用による収益機会の活用が資本政策の改善に有効な手段となり得ると判断した。

同社は暗号資産事業を始めるメリットとして、暗号資産を一定期間ブロックチェーン上に預け入れることでネットワーク運営に貢献した報酬を得る「ステーキング」の仕組みを活用した、安定的なインカム確保を挙げた。また、暗号資産の基盤となるブロックチェーン技術は同社のゲーム事業との親和性も高いとしている。

具体的には、ビットコイン、イーサリアム、ソラナなどの主要暗号資産への投資を中心に展開する予定。暗号資産の購入及び運用事業に関する費用として、同社は2026年1月から2030年12月までの期間で91億円の支出を見込んでいる。

同社のようなゲーム開発を手がける上場企業が暗号資産保有やトレジャリー事業を推進する動きは活発で、今年に入りgumi社がビットコインや「XRP」の保有を開始。これに続きKLab社も今月、新たにビットコインを保有することを公表していた。

著者 経済/社会担当
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