高級家電のバルミューダ、国内外で苦境 純利予想を黒字→15億円赤字に大幅下方修正
高価格帯家電を展開するバルミューダは7日、2025年12月期の連結業績予想を大幅に下方修正したことを明らかにした。
売上高は従来予想の125億円から98億円へ27億円減額し、営業損益は2000万円の黒字予想から9億3000万円の赤字に転落する見通しとなった。当期純利益も1000万円の黒字から15億円の赤字を見込む。
国内市場における主な要因として同社は物価上昇に伴う消費マインドの低迷が長期化したことがあると説明。同ブランドは高価格帯路線での家電が中心となっていることからもより影響を受けやすい業態となっている。
こうした状況により、流通在庫が増加傾向にあったとしたといい、同社は流通在庫の適正化を目的に9月から出荷を大幅に抑制したことで、この度期初の想定を下回る売上高となる見通しになった。
一方の米国市場ではMoonkettle、Teppannyakiなどの家電3種を発売したことで半期売上は前年同期比で唯一増加した地域となった。しかしながら、下方修正の発表では、関税政策の影響により「想定していた価格設定や販路戦略等の設計が困難になった」とコメント。期初より事業展開の強化施策を推進してきたものの、通期売上高は期初の想定を下回る見通しとなった。
また、韓国含むその他地域でも製品展開計画の最適化を図ったことなどにより、期初の計画を下回る見通しとなった。加えて、国内外において複数の新製品の発売時期がずれたことも、期初に想定した売上高を下回る一因となった。
営業利益については、売上高予想の修正に加え、期初の想定より円安が進行し仕入コストが上昇したことなどに伴い、売上総利益率の見通しを35.6%から33.3%に引き下げた。
同社は今後の対応策として「生活家電カテゴリーの収益構造の再構築」「新たな顧客層・市場を創出する新カテゴリーの確立」を掲げ、家電販売の収益性改善や成長に取り組む方針を示した。
なお、生活家電カテゴリーの収益構造の再構築を推進するにあたり、生産終了見込みとなった製品・部材等の評価減等に関する特別損失5億6000万円を2025年12月期連結会計期間に計上する見込みとなっている。
