フジメディアHD、通期予想を黒字→120億円赤字へ大幅下方修正 フジテレビの広告収入回復遅れ

フジ・メディア・ホールディングスは7月31日、2026年3月期の連結業績予想の下方修正を発表した。売上高は前回予想の5610億円から5466億6000万円に144億円減少し、営業損益は前回予想の25億円の黒字から120億円の赤字に転落する見通しとなった。
修正後の業績予想では、売上高が前年同期比2.6%減の5466億円、営業損失120億円、経常損失85億円となる。一方、純利益については、政策保有株式の売却益などにより前回予想通りの100億円を維持する見込みとしている。
業績下方修正の主要因は、子会社である株式会社フジテレビジョンの広告収入回復が想定を下回っていることにある。同社では「事案の影響による地上波テレビ広告収入の回復が前回予想時点の想定を下回っている」として、フジテレビの売上高、営業利益、経常利益、当期純利益がいずれも前回予想を下回る見込みであることを明らかにした。
フジテレビの2026年3月期広告収入見込みは、ネットタイムが前回予想の397億円から331億5000万円へ65億5000万円減少、スポットが519億円から378億5000万円へ140億5000万円減少するなど、放送収入合計で208億円の大幅減収となる見通しだ。
セグメント別では、メディア・コンテンツ事業の売上高が前回予想から253億円減少する一方、都市開発・観光事業は51億円、その他事業は60億円それぞれ増収を見込んでいる。2026年3月期には3社が新たに連結子会社となる増収要因があるものの、フジテレビの減収を補う規模には至らないとしている。
なお、31日発表の第1四半期決算ではコンテンツビジネス関連の現況も公表。フジテレビジョンのアニメ関連事業については、海外展開が「謎解きはディナーのあとで」や映画「ギヴン」などが寄与し増収を記録した。一方で、関連するポニーキャニオンはアニメのヒット作不足、 イベント縮小やグッズ販売等の減で減収、アニメの出資金償却や広告宣伝費、人件費等がかさみ、減収と営業損失を計上した。