みずほG、新刊書籍「空想金融教室」を監修 さるかに合戦、浦島太郎…人気童話で“金融“を学ぶ


みずほG、新刊書籍「空想金融教室」を監修 さるかに合戦、浦島太郎…人気童話で“金融“を学ぶ

みずほフィナンシャルグループは23日、金融経済教育の一環として展開する『空想科学読本』を刊行する空想科学研究所とコラボレーションについて、プロジェクト初となる〈みずほ〉が監修した書籍『昔話でおカネの基本がわかる!空想金融教室』(小学館)が発売される。

本プロジェクトは、高等学校での必修化など現代において必要不可欠となった「金融経済教育」を、より多くの人にわかりやすく、楽しみながら学んでもらうために立ち上げた企画。子どもから大人まで親しまれているさまざまなお話を「お金」という観点から再構成し、解説してきた。

小学館から発売される本書では、これまでサイト上で公開してきたエピソードに、今回新たに書き下ろしたイラストやコラム・用語解説などを加えて紹介。金融の仕組みや経済の基本を、親子で楽しみながら学べる内容となっている。

書籍化に伴い、空想科学研究所 主任研究員・柳田理科雄さんから、コメントも到着している。

0722-ng7n3rv1

■昔話でおカネの基本がわかる!空想金融教室
著者:柳田理科雄
解説・監修:みずほフィナンシャルグループ/協力:株式会社博報堂・博報堂ケトル
発売日:2025年7月23日(水)
定価:1980円(本体1800円+税)
仕様:A5判/256ページ/オールカラー
ISBNコード:9784092274426
発行:株式会社小学館

昔話をお金の観点から再構成「三匹の子ブタに学ぶ、最強マイホーム計画」

【第1章】 おカネってなんだ!?

(1)『さるかに合戦』で考える[おカネと資産]
――交換でトラブル発生!おにぎりと柿のタネ、価値があるのはどっち?
サルとカニの取引が、将来の悲劇の引き金に…!おにぎりと柿のタネの「資産価値」を冷静に考えるべきではなかったか。

(2)『浦島太郎』で考える[おカネと時間]
――竜宮城と「二拠点生活」!?浦島太郎が大金持ちになれる最高のプランとは?
竜宮城に3年いるうちに、地上ではなんと300年が経過!これを利用した長期投資と資産運用の方法を考えよう!

(3)『ごんぎつね』で考える[おカネと信用]
――みずほさん全力解説!ごんには「大切なもの」が決定的に欠けていた!
つぐないの気持ちが通じず悲しい結末を迎えてしまった2人。ごんと兵十の関係に学ぶ、大切な「信用」の作り方!

【第2章】 暮らしと保険

(1)『舌切りすずめ』で考える[金融トラブル]
――日常の落とし穴!おばあさんの闇落ちは「金融トラブル」が原因だった!?
悪役イメージのあるおばあさんだが、最初は被害者だった!混乱の原因をひもとき、正しいおカネの使い方を学ぶ。

(2)『シンデレラ』で考える[生命保険の役割]
――ガラスの靴はいらない!シンデレラが自分の力で人生を切り開いていくには!?
いままでの「シンデレラストーリー」はもう古い!自活と努力で自らの人生を切り開く令和のシンデレラになろう。

(3)『三匹の子ブタ』で考える[損害保険と土地活用]
――持ち家は「資産」とは限らない!?最強マイホーム計画を子ブタ3兄弟に学ぶ!
オオカミの襲ってくる世界で心穏やかに暮らすためには、どんな家を作ればいいのだろう?安心安全をシミュレーション!

【第3章】 社会と税金

(1)『ハーメルンの笛吹き男』で考える[おカネと契約]
――金貨一袋でネズミ退治!笛吹き男と町長の契約は、どこに問題があったのか?
ネズミ駆除の報酬を渋ったら、子ども130人が消える異常事態に!実話ともいわれるこの昔話は「税金」を考えるにピッタリだ。

(2)『かぐや姫』で考える[おカネと法律]
――かぐや姫はもういない。気落ちしたおじいさんが幸せに暮らす方法を考える!
かぐや姫が月に帰って、残された翁はガッカリ。だが、気落ちするのはまだ早い。翁が幸せに暮らす方法がきっとある!

【第4章】 仕事と人生

(1)『かさじぞう』で考える[老後の資金]
――そもそも貯金をしていれば……。心優しいおじいさんに「資産形成」をアドバイス!
笠をお地蔵さまにあげたら、お礼をたんまりいただけた。でも、そんなに貧しくなる前に何かできることがあったのでは?

(2)『アリとキリギリス』で考える[おカネと働き方]
――キリギリスはなまけ者!?アリに頼らなくても、幸せに暮らせる働き方がある!
休まずに働いたアリが立派で、夏に遊んだキリギリスはダメなのか!?アリとキリギリスそれぞれの人生観から「幸せな働き方」を考えよう!

【第5章】 おカネとビジネス

(1)『鶴の恩返し』で考える[ビジネスの構造]
――大切な人々のために。「恩返し」をビジネス化すれば、誰もが幸せになれる!?
「見てはいけない」という娘の約束を破ったばかりに、すべてを失った老夫婦。悲劇を避ける方法を考えよう!

(2)『桃太郎』で考える[おカネと事業計画]
――桃太郎vs鬼 鬼退治を「事業」として考えると、夢と可能性が広がる!
危険でおカネもかかる鬼退治。戦うのではなく、それを「事業」と考えたらどうなるか。桃太郎も鬼も幸せになる方法とは

(3)『白雪姫』で考える[新規事業の作り方]
――魔法の鏡に惑わされるな!悲劇の母子に幸せを呼ぶ「白雪姫アイドル化」計画!
継母に命を狙われ続けた白雪姫。この母子が幸せになる方法をみずほさんが真剣に考えたら奇想天外のプロジェクトが誕生!

主任研究員・柳田理科雄氏インタビュー

――書籍化が決まった時の感想を教えてください。
僕はかつて学習塾を倒産させたことがあり、おカネの話はこの世でもっとも苦手です。そんな僕でも、Webサイトでは、みずほさんに教えていただきながら、楽しく学ぶことができました。「世の中はそうなっていたのか!?」と驚くこともたくさんありました。書籍では、ぜひたくさんの方に、この「目からウロコ」の経験をしていただきたいと思いました。

――書籍化にあたり、意識されたことはありますか?また、どんな方に読んでほしいですか?
金融経済の話は、複雑で難解に見えますが、自分たちの生活や将来と深くかかわっているので、「興味さえ持てれば、とても面白い」というのが、Webサイトを進めながら実感したことでした。
書籍化にあたっては、みずほさんが専門的な解説をたくさん書き下ろしてくださったので、僕の原稿は、Webサイトのときよりも圧縮して(短くしたものが多いです)、楽しさや面白さを強調しました。読者が、本文で笑いながら興味を抱き、みずほさんの解説に進む……というのが理想なので、みずほさんにバトンを渡すつもりでリレーを走るような気持ちでした。マンガ家の籏町さんには、わかりやすく温かいイラストを描いていただき、とても助けられました。結果的に、シンプルに楽しむことも、その気になれば深く読み込むこともできる本になったと思います。「金融ってムズカシイ」「自分には関係ない」と思っている人にこそ、ぜひ読んでいただきたいです。

――柳田さんのお気に入りのエピソードはどれですか?
どれも大好きなのですが、「いちばん」を挙げるとしたら、『白雪姫』でしょうか。世界じゅうの人が、悪人だと思ってきた母親にも、心の持ちようを変えれば、白雪姫といっしょに幸せになれる道がある、というみずほさんの発想には驚きました。大きさの決まったパイを奪い合うのではなく、お互いの可能性を組み合わせることで新しい価値を生み出そうという考え方は本当にステキだと思います。

――「空想金融教室プロジェクト」には、今後どんな可能性があると思いますか?
今回は文章が中心の書籍化ですが、マンガにすると、もっとたくさんの人に広がるのではないかと思いました。もちろん、アニメ化もありです。一方で、音声だけのメディアでも「大笑いしながら聞いていて、金融の本質に触れたり、知識が増えたり……」というのもできそうだなあ、と思っています。誰もがおカネに興味を持っているので、どんなメディアでも展開できるはずだし、そこに「楽しさ」や「笑い」があると、ぐっと親近感がわいて、理解が深まるのではないでしょうか。さらに、子どもたちが参加できるようなイベントもどんどんやってほしいですね。みんなで考えると、おカネの有効な使い方がいろいろ出てくるかもしれない。せっかく盛り上がっているプロジェクトなので、この本で終わりにしないで、まるで夜店のように、いろんな人たちの力で作り上げていくものになればいいと思います。

【プロフィール】
柳田 理科雄(やなぎた りかお)
空想科学研究所主任研究員。東京大学理科Ⅰ類中退。学習塾講師を経て、1996年『空想科学読本』を刊行。『ジュニア空想科学読本』シリーズなど著書の発行部数は880万部。

著者 経済/社会担当
オタクの“今”を届ける新・総合メディアより、アニメ・ゲーム等関連企業の動向やコンテンツ産業の動きを紹介します。エンタメと経済、双方の視点で迅速に、わかりやすく、独自の切り口でお届けいたします。