スマホゲームのKLab、100名退職者募集で半数以下が集まる 方針に「まずは利益確保」

モバイルオンラインゲーム開発・運営を行うKLab株式会社18日、5月に実施した希望退職者募集の結果を発表。希望退職に応じた従業員は47名となり、当初の募集人員数100名程度を大幅に下回った。
同社は正社員を対象に5月23日から6月6日まで希望退職者を募集していた。退職日は6月30日で、応募者は会社都合の退職として扱われ、特別退職金が支給される。
募集人員数を下回る結果となったことについて、同社は「自然退職、新規採用の抑制、新規事業領域への配置転換等を通じた組織体制の見直しを継続的に実施し、経営資源の最適配分を図ることで、当初想定していた規模への費用抑制を進めてまいります」と説明した。
経営目標に「現状を打破し、まずは利益確保」
同社が募集発表時に説明したところによると、同社は新作タイトル開発の長期化により赤字決算が継続している。既存タイトルの縮小に加え、長らく「開発中」とされてきた『EA SPORTS FC™ TACTICAL』がグローバルローンチに未だ至っておらず、業績への影響や財務負担が増大したと説明。
これを受けKLabはこれまで「『EA SPORTS FC™ TACTICAL』、『ゲーム系IPタイトル』および『僕のヒーローアカデミア』の3本の大型タイトル開発に注力して きた」としているが、業績回復を急ぐ必要性から、今後は「確実性が高い事業に新たに取り組む」方針へと転換。「コスト構造を抜本的に改善するべく、少数精鋭へと体制を転換する」としている。
同社は今回の発表にて、従業員のスキル向上支援や生成AIの業務活用推進など、生産性向上に向けた取り組みにも注力する方針を示した。希望退職募集に伴う特別退職金等の費用は4100万円を見込んでおり、特別損失として計上する予定。
足元ではアニメ『ハイキュー!!』のスマホゲーム『ハイキュー!!FLY HIGH』のグローバル版『HAIKYU!! FLY HIGH』が7月31日に配信開始、新作オンラインゲーム『オルタナヴェルト -青の祓魔師 外伝-』が日本及び北米向けに配信開始となるなど、リリースを進めている。