【Swich 2】新方式のゲームカードに株主が「懸念」任天堂の見解は メーカーとの協議も言及


【Swich 2】新方式のゲームカードに株主が「懸念」任天堂の見解は メーカーとの協議も言及

任天堂株式会社は2日、6月27日(金)に開催された同社の第85期定時株主総会において、質疑応答の回答を掲載。発売したばかりの「Nintendo Swich 2」に関する質疑が多く寄せられ、発売後の反響などが問われていた。

同時に、一部の株主からはSwich 2のパッケージ版ソフトをめぐり、新たに導入された「ゲームキー・カード」と呼ばれる方式の話題があがった。

質疑では「パッケージ版ソフトとダウンロード版ソフトの中間の仕様であって、データが入っていないパッケージソフトにはあまり魅力を感じないという意見もある」と前置きしたうえで、「採用したソフトメーカーのタイトルがこの仕様のためにあまり売れないとすると、ソフトメーカーが Nintendo Switch 2 から離れていってしまうのではないか」との懸念を伝えていた。

これに対して、代表取締役社長の古川俊太郎氏は以下のような見解を示した。

「Nintendo Switch 2ではNintendo Switchよりもゲームソフトのデータ容量が大きくなることから、新たに加えたソフトウェアの販売方式の一つです。ソフトウェアにはさまざまな販売方式がありますので、ソフトメーカー様ともいろいろな点を協議しながら、ソフトメーカー様から当社プラットフォームを積極的にサポートいただけるよう努めていきたいと考えています」

0702-0xgnwsmh
質疑応答(要旨)より:https://www.nintendo.co.jp/ir/pdf/2025/qa2506.pdf

カプコンは「実質デジタル」扱いに メリットデメリットは

ゲームキー・カード方式はカード本体にゲーム本編のデータが内蔵されていないことが最大の特徴。ゲームデータが保存されている一般的なパッケージとは異なり、初回プレイ時にインターネットを通じてダウンロードする必要がある。サードパーティタイトル(任天堂以外)のほとんどに採用されており、名前の通り「鍵」の役割を持つのみにとどまっている。

先の株主の発言にある通り「パッケージとDLの中間」とも捉えられている。実際、任天堂の株主総会の前に行われた株式会社カプコンの決算質疑において、このゲームキー・カードは「パッケージ版ではなくダウンロード販売と同様の扱いとする」会計処理を行うことが明らかになった。

コナミ、バンダイナムコなどすでにタイトルを投入している他メーカーの方針は不明あまが、カードの性質上、どちらかに分類しづらい、判断が分かれる内容となっている。

ゲームキー・カードを採用するメリットとしては、ゲームデータを本体ストレージから直接読み込むことから、ローディングや読み出しの高速化が挙げられる。また、実際の挙動は一般的なパッケージと同様であるため、他人譲渡や中古売買が可能という点はダウンロード版との差別化が図られている。

一方、デメリットとしてはゲームデータがカード自体に存在せず、任天堂側のネットワークサービスに依存するため、カード単体での物理メディアとしての長期保存は事実上できない。そうした点が、先の質問にあった「あまり魅力を感じない」との反応につながっているようだ。

著者 山本晃平