前澤氏率いるカブアンド、新株主が「69万人」誕生…日本企業で第9位に 過半数が「株投資未経験」

実業家の前澤友作氏率いるカブ&ピースは20日、自社サービス「カブアンド」のユーザーに対し初となる株式割当てを実施。これにより、同社に69万人の株主が誕生したことを発表した。同社の株主数は日本企業で9番目に多いと公表している。
カブアンドとは、「お金配り」で話題になった前澤氏が2024年にはじめた新サービス。ガスやモバイル通信、ネット回線、ウォーターサーバー、ふるさと納税といった生活インフラを提供しながら、利用者にポイント感覚でカブ&ピースの未公開株を受け取ることができる点が特徴となっている。
初会計年で4.2億株を発行
カブアンドではサービスの利用状況に応じて「株引換券」を発行し、毎年4月に引換券の枚数をもとに株と交換する仕組みを採用している。もらえる株の数は発行価格によって決まり、初回は第三者機関による経営状況の評価を経て、見込み額5円から2円下げた「3円」となっていた。
今回の引き換えの結果、同社は419,225,250株を発行。株主総数は690,154人となり、国内上場企業との比較ではNTT、MUFG、トヨタ、JT、イオン、ソフトバンク、オリックス、ANAに続く国内9位としている。
同時に株主の属性分析も公開されており、実に52.8%が株式投資未経験者であることが分かった。この傾向について、同社が掲げるミッション「国民総株主」の実現に向けた第一歩であると自己評価。保有株数の分布では、無料会員登録をするだけでもらえる「50株」以下の保有者が30.8%を占めた。
一方、3,001株以上を保有する株主も3.7%存在しており、最多割当数は213,600株、上位10名の合計保有株数は1,267,361株となった。なお、目論見書によると、最も同社株式を保有するのは「前澤友作」氏個人の2,100,000,000(21億)株で、全体の60%を占める。
これらの結果を受けて、前澤氏は「今日、690,151人の株主、お一人お一人の名前が正式に「株主名簿」に刻まれました。皆さんの暮らしや想いが、この会社の歴史に記録された、かけがえのない瞬間です。創業まもない未上場企業で、これほど多くの株主が誕生したことは、日本の経済史の中でも初めてのことでしょう。」とコメントした。
4月に公表していたた第2期募集の展望として発行価格の想定範囲を「3〜6円」としたほか、「当然経営陣としては企業価値向上を図り、上値の6円を目指していく」と意気込んでいる。