カバー株、続落で14日に年初来安値 業績予想の伸び鈍化など影響 「先行投資によるもの」と説明


カバー株、続落で14日に年初来安値 業績予想の伸び鈍化など影響 「先行投資によるもの」と説明

「ホロライブプロダクション」を運営するカバー社が13日に2025年3月期決算を発表したことを受け、翌14日の同社株が急落した。14日は2,248円だった前日から14.1%下げ1,931円で取引を終え、本日15日は前場(午前中)は11円戻した。

13日発表の決算では売上高が前期比43.9%増の434億100万円、営業利益が同44.5%増80億100万円(同44.5%増)などとなり、全ての主要指標で前年を大きく上回る業績を達成したことがわかった。

上期減益と利益鈍化予想は「成長を見据えた事業投資」によるもの

一方、同時に公表された2026年3月期の業績予想は売上高525億円(前期比21.0%増)と二桁成長を維持するものの、営業利益82億円(同2.5%増)、経常利益82億円(同3.0%増)、当期純利益57億円(同2.5%増)となり、利益面での伸び率は大幅に鈍化する見通しに。これらの開示情報に、市場予測からの下回りが加わる形で短期的な材料出尽くしを誘発したとみられる。

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なお、同社は上記発表について「上期においては将来の事業成長を見据えた事業投資に伴う短期的な固定費の増加」があると説明。上半期の減収減益予想についても「売上高が下期に偏重する季節性の影響により、利益水準が前年同期を下回る見通しです」としている。

なお、事業投資の具体的な例として同社は「演者報酬」「商品製造原価」「イベント費」「スタジオ関連費用」(原価)や、「制作能力拡充」「研究開発費」「海外事業開発費」「経営基盤強化」(販管費)などを挙げた。

一方、同社は中期目標として「2030年3月期までに売上高1,000億円、営業利益250億円以上達成」との強気の見込みを掲げており、累計500億円を上限とする戦略的な成長投資やM&Aも想定している。

トレーディングカードゲームの海外展開を含む商品拡充や大型タイアップの拡大、配信・音楽・ゲームなど各分野でのブランド認知拡大を通じた関連ビジネスの成長を見込む一方、為替・物価・関税動向、消費マインドの変化など不確実な事業環境にも言及していた。

著者 編集部 経済・社会担当
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