三菱UFJや講談社ら、エンタメ作品創出に向けファンド組成 世界で戦える作品を「前例のない規模」で支える

三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は国内企業5社と共同で、日本のエンターテインメント作品創出に向けた新たな連携事業を発表。MUFG傘下の三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、講談社、クレデウスの4社と、これらが出資する「Japan Creative Works1号投資事業有限責任組合」が参画する。
この取り組みは、日本発のエンタメ作品を世界市場に届けること目的に、新しい資金調達手法とビジネスモデルを構築すべく生まれたもの。「金融企業と日本のエンタメ企業が一体となった本邦初のもの」と意義を説明している。
背景には、2023年に海外売上が前年比128%増の5兆7,769億円と急成長した日本のエンタメ市場があると説明。海外政府系ファンドも投資対象として高い関心を寄せているなど、高い競争力があることを強調した。
しかし、グローバル市場では他国の大規模な資金投入を受けたエンタメ企業が急成長しており、日本の作品が競争力を維持するには「従来の取り組み方法に加えて新たな資金調達方法やビジネスモデルが必要な状況となっています」との認識を共有し、新たなスキームの必要性を示した。

本スキームでは「資金調達」業務を三菱UFJ信託銀行と三菱UFJ、外部投資家が出資する1号ファンドが、「制作」業務を講談社およびクレデウスが設立した合同会社「CK WORKS」がそれぞれ担当し、両社の強みを活かしたものとなる。(なお、クレデウスは「キングダム」「銀魂」実写化シリーズを制作していた)
具体的な動きとしては、講談社が発行する著作物を原作とする「劇場公開実写映画」シリーズに対し、1作目から全額の制作資金を提供する方式を採用。これにより、制作初期段階からの資金確保により、大規模な予算でスピーディにシリーズ作品を展開できる点が期待されている。
さらに、投資成功時にはクリエイターへの報酬還元を行う目処を立てており、プロジェクトや業界としての好循環にも貢献する可能性がある。