楽天証券、取引ツールの過去バージョンにログイン脆弱性 5月10日に完全対応へ 追加認証を拡充


楽天証券、取引ツールの過去バージョンにログイン脆弱性 5月10日に完全対応へ 追加認証を拡充

昨今頻発するネット証券における不正ログインや不正売買による被害について、楽天証券はこれに対応するために、来週5月10日(土)より株式取引ツール「マーケットスピード」の旧バージョンからのログインを遮断する。

楽天証券側は公式サイトにて「セキュリティ強化のため、5/10以降順次マーケットスピードは最新バージョン以外にログインできなくなります」と説明。また、過去バージョン(17.10〜17.16)を利用している場合に、最新バージョンへの自動アップデートを案内した。対象の利用者がマーケットスピードを起動すると、自動でダウンロード画面が表示されるという。

なお、楽天証券のWindows向け取引ツールは「Market Speed」と「Market Speed 2」の2種類が存在するが、今回対応が発表されたのは前者。昨今の不正ログイン報告が相次ぐなか、同ツールの過去バージョンにおいて「2段階認証を設定していてもIDとパスワードだけで口座にログインできる」との指摘が寄せられていた。

同時に楽天側は同ツールの最新バージョン17.17を配信し、セキュリティの強化を目的として、ログイン時にリスクベース認証判定を導入した。「普段と異なる端末や環境からのアクセスの場合やはじめてアクセスしたパソコンの場合、追加認証が必要になる場合がございます」としている。

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5月中に必ずご対応いただきたいこと

「マーケットスピード」「iSPEED」系にもメール追加認証が実装

ネット証券をめぐっては先日、SBI証券が設けていた、普段ユーザーが利用しない「バックアップサイト」が2段階認証を必要としない脆弱な状態であることが話題に。4月30日の初回発表では同サービスを5月30日に閉鎖するとしたものの、顧客からの批判を受けて急きょ5月2日へと前倒ししていた。

なお、楽天証券は一連の問題を受けて追加認証の拡充を決定。先述のようにマーケットスピードなどでは電話ベースによる2段階認証を行っているほか、6月1日からはメールアドレスに送信された絵文字を使ったワンタイム認証もこれらの取引ツール群に導入される。

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著者 編集部 経済・社会担当
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