サイバーA、子会社の不適切会計処理を報告 最大で年間17億円影響…株式は反発


サイバーA、子会社の不適切会計処理を報告 最大で年間17億円影響…株式は反発

サイバーエージェントは16日、連結子会社である株式会社CyberOwlにおいて不適切な会計処理が判明したことを受け、社内調査委員会による調査結果を公表。同社が提供するアフィリエイト広告において、売上高に成果予測を含めた概算金額が計上されていたが、その根拠となる係数等が同社取締役1名により2020年から長期にわたり改竄されていたことが明らかとなった。

発表で「当該事業の責任者であるCyberOwl取締役個人が、計上根拠を改竄し報告を行っていたことに起因し、同人が事業担当取締役と経営管理担当取締役が兼任する等、不十分な管理・監査体制だったことも原因であると認識しております」と言及。

財務への影響としては、CyberOwlの会計改竄により、2020年9月期から2024年9月期にかけて連結売上高と営業利益に影響が生じていた。2024年9月期における影響額は売上高で17億5900万円、営業利益でも同額で、いずれも連結に占める割合は0.2%および4.2%と報告されている。

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アフィリエイト広告は成果の発生と確定に差、計上の業務フローに問題と指摘

なお、同様の不正はCyberOwlを除くサイバーエージェントグループ内では確認されなかったとして、調査結果は一部の個人情報や機密情報を除いて「調査報告書(公表版)」として公表された。

業績への影響については、「本件にともなう2025年9月期の連結業績に与える影響は軽微と見込んでおり、現時点において2025年9月期の連結業績予想および配当予想についての修正はありません」。今回の事案を受けた社内処分として、代表取締役社長の藤田晋氏、専務執行役員の中山豪氏、およびCyberOwl代表取締役社長の田中啓太氏の役員報酬を5月から3ヶ月間減額する措置が取られる。また、会計処理の改竄に関与したCyberOwlの取締役1名はすでに解任された。

この問題は過日より段階的に公表されていたが、今回の調査結果公表で対処に一段落ついたとの見方もあり、17日の同社株式は大幅に反発。16日よりサービスを開始したゲーム『SDガンダム ジージェネレーション エターナル』の好スタートなども影響するとみられる。

著者 編集部 経済・社会担当
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