中国テンセント、Ubisoftに巨額出資で関係深化「アサクリ」など新子会社に移管…株価は20%超える急落


アイキャッチ画像

フランスのゲーム開発大手Ubisoftは3月28日、新経営方針を発表し「アサシン クリード」などの同社の人気ゲームシリーズを統括する新会社を設立し、中国のTencentがこの新会社に出資することが分かった。Tencentは新たに設立されるUbisoftの子会社に対して11億6,000万ユーロ(約1870億円)を出資し、25%の株式を取得する。

Ubisoftが設立する新会社では「Assassin’s Creed」「Far Cry」「Tom Clancy’s Rainbow Six」といったシリーズの開発を内包するといい、現在開発中の新作も所属する可能性があるという。Ubisoftは新会社設立に求める要素として「シングルプレイヤーの物語体験の質の向上」(「無料プレイを含め)コンテンツのリリース頻度を高める」「ソーシャル機能の統合」などを掲げている。

この発表にUbisoftの共同創業者兼CEOであるYves Guillemot氏は設立にあたり「プレイヤーの期待を上回る、記憶に残る豊かなゲームを提供し、株主をはじめとするステークホルダーに優れた価値を創造することを目標としている」とコメント。テンセント側もおおむね同様の内容だった。

なお、この提携に対して株主の一部からは反発の声が上がっているという。直近4月2日には少数株主のアクティビストがUbisoftに対して公開書簡を送っていることが海外媒体経由で公表されており、臨時株主総会の開催や、臨時配当などの株主還元を行うよう決議の採決を求めている事もわかっている。(参照

実際、新子会社設立の発表が行われた後のUbisoft株の価格は発表後に25%ほど下落しており、影響は無視できない。先の株主らは「取引の内容が株主にとって有利とは言えない」と指摘し「公開買付けの義務を回避するために設計され、持分が10%未満であるにもかかわらず創業者家による支配を強化する意図がある」と主張している。

0405-vt8haum4

TencentはすでにUbisoftの株式10%を保有しており、すでに大きな存在感を放っていたが、今回の出資によりさらに影響力を強めると見られている。また、昨年末からは「テンセントが買収交渉を継続している可能性が高い」との報道も発出され注目を集めていただけに、さらなる関係深化が起こるかが気になるところだ。

著者 編集部 経済・社会担当
オタクの“今”を届ける新・総合メディアより、アニメ・ゲーム等関連企業の動向やコンテンツ産業の動きを紹介します。エンタメと経済、双方の視点で迅速に、わかりやすく、独自の切り口でお届けいたします。