VTuber市場、昨年度は1,000億円の大台到達と試算 グッズ販売が成長牽引…さらなる成長も予測


VTuber市場、昨年度は1,000億円の大台到達と試算 グッズ販売が成長牽引…さらなる成長も予測

共同通信グループの調査機関・矢野経済研究所は28日、国内のVTuber市場に関する最新調査結果を発表し、2025年度の市場規模は前年度比120.0%の1,260億円に達する見込みとの試算を公表した。

2023年度のVTuber市場規模は、VTuber事務所を運営する企業の当該事業売上高ベースで前年度比153.8%の800億円に拡大。発表では2025年度の予測に加え、昨年度2024年度の見込み規模も公表。「1,050億円」と4桁億円に達し、引き続き拡大基調にあることが明らかとなった。

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伸びは落ち着きも引き続き高いポテンシャル

2023年度の市場規模をセグメント別に内訳をみると、グッズが445億円(55.6%)と過半を占め、ライブストリーミングは160億円(20.0%)、BtoBが131億円(16.4%)、イベントは64億円(8.0%)と続いた。イベント領域、グッズ領域、BtoB領域が高い成長率となった。急成長期に比べれば伸び率は落ち着いてきている。

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矢野経済研究所はVTuberの特性について「VTuberは、IP(知的財産権)とインフルエンサーの2つの特性を有する」と指摘。アニメ的なキャラクターデザインを活かしたグッズ展開や、他メディアへの出演などIPビジネスとして活用が進んでいる一方で、演者自身がリアルタイムで視聴者と交流する点においてインフルエンサーとしても機能している。

この二重の特性が、YouTuberや声優といった他コンテンツとの差別化要因となっており、これが企業とのタイアップ広告などでの伸びにつながっているという。

今後の展望について、同所は「VTuberは国内ではいちジャンルとして地位を確立し、黎明期のライブストリーミング収益依存から、多岐にわたる収益モデルへと進化している」と分析している。

著者 編集部 経済・社会担当
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