VTuberファン、若年層ほど“切り抜き”派?世代上がるとライブ派多い傾向…矢野経済が消費動向を調査


VTuberファン、若年層ほど“切り抜き”派?世代上がるとライブ派多い傾向…矢野経済が消費動向を調査

共同通信社グループの調査機関・矢野経済研究所は15日、VTuberに関する消費者アンケート調査の結果概要を公表した。同調査は、VTuber動画の視聴傾向やグッズ・イベントへの支出状況などを男女を対象に聞き取り、分析した。

調査概要によると「VTuberファン(※)」に対して、推しの有無について尋ねたところ、「推しがいる」と回答したのは68.6%にのぼり、「推しはいない」は18.3%だった。「推しを作らずにVTuberを楽しむ『VTuberファン』も一定数存在するものの、大多数の『VTuberファン』は推しを作って楽しんでいることが明らかになった」としている。

また、VTuberに関連する動画の視聴形態については「ライブ配信等」「切り抜き・編集動画等」の2つの形式が調査対象となった。「ライブ配信等」には、生放送やそのアーカイブ配信が含まれ、「切り抜き・編集動画等」には、見どころを短時間で視聴できる形式の動画が該当する。

この結果、年齢別の傾向として若年層ほど「切り抜き・編集動画等」の利用率が高く、年齢が上がるほど「ライブ配信等」を選好する傾向が見られた。「ライブ配信等」は1時間を超える長尺のものが多い一方、「切り抜き・編集動画等」は5~10分程度の短尺が中心であり、時間効率、いわゆる「タイパ」を重視する層に支持されていると分析されている。

0415-un9dxqdv

また、年齢や性別を問わず、両形式を「同じくらい視聴する」と答えた割合が10~20%に達しており、多様な視聴スタイルが浸透していることが示された。

「ライブ配信等」は公式配信によるコンテンツである一方、「切り抜き・編集動画等」には、ファンによる二次創作も含まれている。矢野経済は、「切り抜き・編集動画等」が幅広い年齢層で支持を得ている理由の一つとして、「VTuber事務所各社は『切り抜き・編集動画等』に対してガイドラインを作成し、UGC(User Generated Content)促進などの施策を行っていることもある」と指摘している。

※調査は2024年10月から11月にかけて、日本国内に居住する15歳から44歳の男女37,353名を対象にインターネットを通じて実施。趣味設問において「動画視聴」を選択し、さらに「VTuber」が好きな動画タイプであると回答した1,200名(男性600名、女性600名)を「VTuberファン」と定義した。

著者 編集部 経済・社会担当
オタクの“今”を届ける新・総合メディアより、アニメ・ゲーム等関連企業の動向やコンテンツ産業の動きを紹介します。エンタメと経済、双方の視点で迅速に、わかりやすく、独自の切り口でお届けいたします。