推し活グッズの「ランダム商法」消費者の本音は “買いたい”と“買っている”に大きな差


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アニメ、アイドル、VTuber…推し活を行っている500名を対象に、グッズの購買行動や意識についての調査データをEC物流代行サービス「ウルロジ」の運営元が発表。エンタメグッズの販売形式において、主に「ランダム販売(トレーディング仕様)」に関する消費動向が公開された。

トレーディング仕様は「缶バッジ」「カード類」「アクリルスタンド」などの小物グッズで採用されている場合が多く、販売者側にとっては「コンプリートBOX」「〇個組」のような形で一括購入へ誘導するなどのメリットがある一方、消費者側からしたら「欲しいものが出ない可能ソイ」というデメリットがある。販売会場やその周辺、オンラインでの「譲・求」交流があるコンテンツが存在するものの、必ずしもすべてのファンに受け入れられる販売形式ではないものとされている。

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実際、今回の調査では「買ってみたい・買いたいと思うグッズの販売形式について教えてください」との質問に対して、最多だったのは「通常販売(73.2%)」であり、「受注生産(51.0%)」「数量限定生産(34.6%)」が続いた一方でトレーディング仕様、いわゆる「ランダム販売」については31.6%にとどまった。

このランダム販売については「買っている」と回答したのがが45.4%であった反面「買いたい」意向は31.6%となり13.8ポイントの差が存在した。過去の購買経験と比較すると、支持が低下している傾向が見られた。この結果について、講評では「グッズ販売においては、ファンの確実な入手ニーズに応える通常販売や受注生産を重視しつつ、限定販売で特別感を演出し、ランダム販売は一部の企画として取り入れるといったバランスの取れた戦略が有効」と指摘している。

このほか調査では、ファンが欲しい推し活グッズの形状として、人気が高かったものとして「アクリルスタンド(50.8%)」「キーホルダー(47.4%)」「ぬいぐるみ(42.0%)」が続いた。しかし、一見すると注目が集まりやすそうな「作品で推しが実際に使っていた物」は3.0%にとどまった。個性的なを求める層は一定数存在することが示唆された。

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エンタメグッズの購入経路については、「EC・オンラインショップ(68.0%)」が最も多く、「グッズ専門店(43.8%)」「イベント会場(38.0%)」「フリマアプリ(23.0%)」がそれに続いた。ECでの購入が主流となっている背景には、時間や場所を選ばずに入手できる利便性に加え、オンライン限定販売によるプレミア感が影響していると考えられる。

また、購入したエンタメグッズの保管に関しては、「開封せずに保管している」との回答が63.6%を占めた。グッズが単なる消費財ではなく、コレクションや保存用としての価値を持つことが示されている。加えて、「購入後に汚破損をチェックする」と回答した割合は約7割に達し、ファンがグッズの状態に高い関心を持っていることが明らかになった。

著者 編集部 経済・社会担当
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