税込5万円切りでこれは凄い。ゲームも快適なシャオミスマホ「POCO X7 Pro」を試す
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シャオミは12日、サブブランドPOCOより新型スマートフォン「POCO X7 Pro」の日本展開を発表。税込で5万円台を切る手頃な価格ながら、ゲーミングやエンタメ用途にも十分対応できる性能を兼ね備えており、早くも注目されています。ここではX7 Proを先行して手に取る機会があったので、感想や各種ベンチマーク結果、メリットデメリットを簡潔に紹介します。
Xiaomi POCO X7 Pro 12GB+512GB 日本語版 Simフリー スマートフォン 90Wハイパーチャージ 120Hz 有機ELディ...
そもそもPOCO(ポコ)とは、シャオミが展開する「高コスパ」を売りにするサブブランドの一つ。主に新興国で人気を博していますが、日本でも2022年に「POCO F4GT」と呼ばれるゲーミングスマホを投入。以降「F6 Pro」など高コスパな端末を出すブランドとして一部で話題になっていましたが、この度「X」シリーズを世界販売と同時に日本での展開が行われています。
外観・デザインについて、本機は6.7インチという大画面を採用。ディスプレイは有機ELパネルで輝度は最大3200ニトと、動画視聴やゲームプレイにおいてフラグシップ機と遜色ない視認性を誇ります。背面デザインはイエロー、ブラック、グリーンの3色展開となっており、特にイエローは指紋が目立ちにくく、布っぽいレザーの質感も◯。重量は約198gと今となってはやや軽量の部類。長時間片手で操作する場合には若干の重さを感じるかもしれません。
一世代前のハイエンドと同等性能を発揮、独自技術も活用
ゲームプレイも快適と謳うからには注目したいのが性能でしょう。本機はSoCにMediaTek Dimensity 8400-Ultraを日本発売端末で初めて搭載。フラグシップ機にはQualcomm社製のSnapdragon 7/8シリーズを採用することが多く、8400-Ultraはやや馴染みのないナンバリングですが、ミドルハイ向けながらも高い処理性能を実現します。
公式が性能指標として提示するベンチマークテストのスコアは1,704,000点(Antutu)であり、これは数年前のハイエンドスマホ、ゲーミングスマホと同等の性能。実際に同じベンチマークを連続して数回行ったところ、公称値の満点には行かずとも、いずれも1,600,000点を超えるスコアを安定して出していました。
この性能であれば原神や崩壊:スターレイルといった重負荷の3Dゲームもプレイできるほか、最近リリースされた屈指の高負荷アプリ「学園アイドルマスター」でも特段のつっかかりは感じませんでした。ゲームプレイにおいては独自技術と「WildBoost Optimization 3.0」や最新の冷却技術「LiquidCool Technology 4.0」が役立つとのこと。
プレイ時に利用できるコントロールセンターからは「フレームレート重視」「画質重視」などを選ぶことができ、好みに応じた使い方もできそうです。また、背面がレザー調であるため、金属系素材の端末よりも手持ち感覚でも「持ってられない」といった熱さにはなりません(放熱効率は悪くなるかもしれませんが)。
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また、バッテリー容量は6,000mAhと同価格帯比でも大容量。90Wの急速充電に対応しているため、充電時間が非常に短いのも嬉しいポイント。普段の動画視聴やSNS、ゲーム利用においても、5,000mAh容量の端末と比べてもかなり余裕を持たせる形になります。
Xiaomi POCO X7 Pro(Amazon.co.jp)
おサイフケータイ非対応は5万円切るには仕方ない、割り切る必要性あり
カメラ性能に関しては50MPのメインカメラも8MPの超広角レンズの二眼構成。メインカメラは、OIS(光学式手ブレ補正)も備えます。性能向上が図られた一方で、フラグシップ機と比べると撮影時に若干の色味の偏りを感じるシーンもあり、これは低価格帯ならではのトレードオフでしょう。
ソフトウェア面では、Android 15をベースにしたXiaomi HyperOS 2を採用。ベースカーネルからはかなり魔改造したものであり、好みが分かれそうな使い勝手。またPOCOやシャオミの格安端末あるあるですが、はじめから入っているゲームやアプリは邪魔。こちらもコスパとのトレードオフになりますが、某キャリアとは異なりすぐにアンインストールが可能なため、特段の問題でないです。
そして実際にメイン機として使用したい場合に注意したい点として「おサイフケータイ非対応」が挙げられます。公式からも説明があるとおり、この日本特有機能は「税込5万円切り」「世界発売と同時に日本発売」を実現するには削がざるを得ないもので、妥協点になっているようです。都市圏にお住いでモバイルSuicaを使いたい方やQUICPayを使っている方はご注意ください。また、ワイヤレス充電に対応していないという点も仕様上の制約です。
Xiaomi POCO X7 Pro(Amazon.co.jp)
総合すると低価格ながらゲーミング性能、ディスプレイ解像度、バッテリーなどゲームを楽しむために必要な機能は一通り揃っており、特にコストパフォーマンスを重視するユーザーにとって非常に魅力的な選択肢。短期間の体験だったので詳しい調査はできませんでしたが、かなりの方にとっては10万円を超えるフラグシップ機は必要ない程度かもしれません。