『映像研には手を出すな!』原作者がアニメ化を「お任せ」する理由 監督との秘話や“唯一口出しした”こだわりは


アイキャッチ画像

ABEMAにて隔週金曜日に配信中のアニメ情報番組「SHIBUYA ANIME BASE」では、1月31日(金)と2月7日(金)の2夜にかけて女子高校生3人が最強の映像を作る青春ドラマ『映像研には手を出すな!』などを手掛ける漫画家の大童澄瞳さんが登場。自宅・作業部屋での潜入インタビューが実施された。

アニメ業界で働く人の仕事や人柄を深堀りする“ギョーカイ深堀りコネクション”のコーナーに登場した大童さん。もともとアニメーションを制作していたものの、2年間に及ぶ制作期間で作品が一切完成しないかもしれないという焦りから漫画家へ転向。初めて作った漫画で、ラーメン屋が地球を救うためにウサギに助けを求める作品『ウサゴギ』が編集の目に止まり、漫画家への道へ歩んだという。

「映像研には手を出すな!」誕生のキッカケや秘話語る

大童さんは「高校生の頃、映画部で映画を撮ったりしていたので、映像系の部活に取り組む子の漫画だったらいけるかもしれない」と考えたことが『映像研には手を出すな!』の始まりだったと明かす。

メインキャラクターの浅草みどり、金森さやか、水崎ツバメについては「自分がバラバラに分かれたのが映像研のキャラクターかなって」と語り、それぞれのキャラクターについて説明。浅草みどりは、「(自分が)引っ込み思案だったので、表には出て行きたがらない子を主人公にしたいと思っていた」、金森さやかは「映画部で映画を撮っていたときは、プロデューサーもやっていたので、プロデューサー的な役回りってすごく大事だなと思っていた」、水崎ツバメは「アニメーションが僕は好きなのでアニメーション大好きな子は出したいと思った」と語った。

0215-xm9uk6wj

また、水崎ツバメについて「最初はクールで何を考えているかわからない寡黙な子だったんですけど、担当編集者さんに明るいお金持ちなお嬢様みたいな感じにしたらどうですか?って言われて唯一そのまま受け入れたのがあの造形だったので、いまだに描きづらいっていう(笑)」「ただ、アニメ化、実写化したときの解釈には、助けられていてフィードバックを一番受けているのは水崎ツバメな気がしますね」とお宝トークを披露した。

アニメ化は「おまかせすることにこだわる」プロの作り手を信頼

そして、大童さんは自身の作品がアニメ化することについて「お任せするってことにこだわっている」ことを明かし、その理由について「漫画のコマ運びをただ映像に変換するだけだと、テンポが悪くなるのでセリフの分量の調整が必要になるんですね」「多少原作と違う部分が出ても信頼して任せた方が最適化されているはずなのでほぼ口出ししないでおこう、と。」と意図を説明。

「唯一自分の中で明確にこれは口出しをしたっていうのがうさぎの描き方ですね」「主人公浅草が大事に持っている人形なんですが、あれはもともと僕が持っているうさぎのぬいぐるみをモチーフにしていて、シルエットとか毛並みの感じとかはもこもこしている感じで描くと形が崩れてしまうので線はフラットでいいですよ。目はクリクリにって感じで何回か注文は入れたんですけど」とお宝エピソードを語る。

野望は「飽きるほど金が欲しい」素顔も

さらに、エンディングのアニメを自分で描いてみたいとツイートしたところ「湯浅監督から連絡が来て描いてみますか?」ってと、当時を振り返り、3日間泊まり込みで作業したことも判明。「キャラクターが横に走るっていう描写をしているんですけど、金森氏の走り方とかは胸の高さで手を振らずに下の方で振る、みたいなそういう走り方をしているんですけど、そういう演技のイメージっていうのは原作者だから出せたアイディアなのかなと思ったりしますね」と伝えた。

0215-a2r6obsl

本インタビューではこのほか大童さんのプライベートにも密着。現在は、趣味に時間を割くことも多いそうで、VTuber・V童澄瞳としてのYouTubeで作画の様子を配信し、漫画家の普及活動をしていることも紹介していた。そんな大童さんに今後の野望は?と聞くと、「唸るほど飽きるほど金が欲しい」と口を開き、「公園を作りたいんですよ。公園とか広大な土地が欲しい、自由気ままにお金を突っ込めるのって楽しいんだろうなって思って。」と夢を語った。

(C)AbemaTV,Inc.

著者 編集部 アニメ情報担当