「めちゃコミ」の運営元、実は帝人だった?直近に他社へ事業譲渡、売却益計上で大幅増益


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帝人は今月6日、2025年3月期第3四半期(4月~12月)の連結決算を発表。売上収益は前年同期比6.7%増と堅調な推移を示した一方、四半期純利益は同376.6%増と大きく伸ばしていることが分かった。IT関連事業の他社譲渡による売却益が影響している。(注:IFRS基準/営業利益、税引前利益は赤字計上)

帝人といえば繊維や衣料製品、電子材料まで幅広く取り扱う総合化学メーカーの印象が強いが、IT分野も展開。子会社・インフォコムが中心となって事業を進めていたなかで、もっとも消費者に身近だったのが無料漫画アプリの「めちゃコミック」。

「めちゃコミック」といえば2006年にスタートし、特に30~40代の女性ユーザーを中心に支持されている、有吉弘行さん出演CMでもおなじみのウェブコミックサービスだが、運営はかつての帝人グループだったインフォコムの子会社、株式会社アムタスが行っている。

しかし近年、帝人は経営資源の再配分とコア事業への集中を狙い、めちゃコミック事業を含むインフォコムの株式譲渡を昨年に決断。帝人は保有する約55%の株式を手放し、結果として第3四半期中に売却が完了したことで、純利益増加に大きく寄与した。

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一連の判断について、帝人のCFOは昨年11月、メッセージにて「事業との間でシナジーが今後見込まれるかという点に加えて(中略)当社がその事業を発展させていくための投資を継続実施していくことが可能かという観点も含めて検証」としたうえで、「不採算・非注力事業の見極めは終えており、インフォコム(株)の売却はこの第一弾」であったと説明。「2024年度中にその他の戦略的オプションも実施していく予定です」と明かしていた。

なお、インフォコムはめちゃコミック以外にも帝人とはIT分野の開発を担当しており、これらの取引関係は今後も継続するとしている。

著者 編集部 経済・社会担当
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