DeNAのゲーム事業が“8127%増益”と話題、海外頼みと思いきや…日本が「ポケポケ」最多課金国との試算も


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DeNAが昨日7日に公開した2,025年3月期第3四半期決算において、直近四半期(10-12月)でのゲーム事業が210億円を記録し、前年同期比8,127%と驚異的な成長を見せた。この数値は主に昨年10月30日にリリースされた『Pokémon Trading Card Game Pocket』(通称:ポケポケ)の大ヒットによるものだとして、話題になっている。

「ポケポケ」は昨年12月にリリースからわずか1ヶ月半で6,000万ダウンロードを突破。全世界でヒットを記録し、その後の発表では課金消費額が800億円を超える見込みであることもわかっていた。

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そんな世界のモバイルゲーム市場を席巻している一方、収益面では日本国内が重要な市場であることが示唆されている。アプリ調査会社Sensor Towerが今年1月に取りまとめた調査によると、日本のダウンロード数シェアは7%とアメリカ、ブラジル、フランスに次ぐ4位ながらも、収益シェアでは40%以上を占め首位を獲得。

日本市場の強さは、ユーザー一人当たりの課金額にも表れており、日本国内ユーザーによるダウンロードあたりの平均収益(RPD)は約3,600円と、2位だった香港の約2倍を記録している。世界的にヒットを記録しつつも、日本のユーザーが他国と比較して圧倒的に高い課金意欲を持っていることを示している。

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ポケポケがリリース直後から世界を席巻、その勢いはMONOPOLY GO!以上で日本は平均RPD20ドルを超える世界最大市場

ポケポケは、1996年に誕生した「ポケモンカードゲーム」をモバイル向けにアレンジした作品。その成功要因としては、ポケモンという強力なIPの存在に加え、カードゲームとデジタルの融合による新しい魅力の創出があるとされている。

オンラインでの対戦相手マッチング、カードのデジタル演出、効果音などが、従来の紙やその他オンラインカードゲームにはない付加価値を生み出している。また、1回の対戦時間を短くし、ゲーム構成をシンプルにすることで、新規ユーザーの参入障壁を下げる工夫も施されている。

さらに、毎日2パックの無料拡張パック開封といった「毎日プレイしたくなる要素」の導入も、ユーザーの継続率向上に貢献しているようで、実際に、先日のDeNAの発表によると、ポケポケの継続率は非常に高いことに言及。プレミアムパスのサブスクリプションも多くのユーザーに利用されているという。

この結果、DeNAのゲーム事業全体の消費額は約946億円に達する見込みで、前四半期比・前年同期比ともに大幅に増加した。しかし、DeNAは今後の業績予想について「合理的・具体的な見通しの算出は困難である」としており、ポケポケの今後の動向が注目される。

市井

著者 市井
オタク総研媒体統括 兼 合同会社サブカル通信社執行役社長。専門領域はアニメ、テクノロジー(ガジェット)、プログラミング、コンテンツビジネス。PRプランニングやIP調達なども担当しています。新作アニメ、海外スマホ、東南アジア好き。
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