ゲーム開発のKLab、本決算は純損失27.8億円と赤字幅拡大 経営責任で「当面の間」役員報酬を減額
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モバイルゲーム開発大手のKLabが13日に発表した2024年12月期連結決算によると、売上高は前期比22.5%減の83億635万円、経常損失は12億8000万円、当期純損失が27億8,298万円(前期は18億1,966万円の純損失)と赤字幅が拡大した。
主な要因としては『キャプテン翼 ~たたかえドリームチーム~』『BLEACH Brave Souls』などの主力タイトルが「健闘」したとしつうも運営数が減少、米Electronic Arts(EA)との共同開発タイトル『EA SPORTS FC TACTICAL』が当初計画していたグローバルローンチに至らなかったことがあると説明している。『EA SPORTS FC TACTICAL』は2024年5月に一部地域で先行配信されたものの、ユーザーの継続率に課題が見られ、年内は品質向上のための開発に注力する展開となっていた。
既存タイトルでは『キャプテン翼 ~たたかえドリームチーム~』が前期を上回る売上高を記録。『BLEACH Brave Souls』もアニメ放送と連動した施策が奏功し、安定的に推移したとしている。一方、費用面では、人員体制の見直しやコスト削減に努め、複数月で単月黒字を達成したと自己評価する。
しかし第4四半期に投資有価証券評価損8億6,146万円、ソフトウェア等の減損損失1億5,294万円を計上したことで、特別損失は11億3,559万円に達した。今後のの見通しについて同社は、『EA SPORTS FC TACTICAL』のグローバルローンチを最優先課題に掲げる一方、業績予想は非開示とした。今後は大型タイトル展開や強力なIPコンテンツとのタイアップ、カジュアルゲーム展開などをすすめる。
今回の決算を受け、取締役会は経営責任として役員報酬を当面の間10%から30%減額することを決定している。