【解説】ABEMAの“赤字支えた”存在に転機?サイバーA、ゲーム事業は四半期減益。「ウマ娘」英語版や「ちいかわ」に期待
サイバーエージェントは29日、2025年度第1四半期(2024年10月-12月)の業績を発表。売上高は2034億円で前年同期比5.6%増、営業利益は同32.1%増の83億円と大幅な増益を記録。ABEMA関連の事業を「メディア&IP事業」に改名し、収益改善が見受けられた。
主軸となる広告事業も売上高は11.8%増と堅実な成長を見せた一方で、ゲーム事業については売上高が382億円と同15.1%減、事業利益も4.1%減の33億円となり、四半期ベースでは減少に転じている。減少した理由について、同社は「好調な新規タイトルがありつつも落ち込んだ既存タイトルがあり減収、微減益」と紹介した。
具体的なIP別での展開は公開していないが、過去の業績貢献から考慮すると新規タイトルはバンダイナムコエンターテインメントが配信する「学園アイドルマスター(開発:QualiArts)」や、2024年11月にグローバル版をリリースした「呪術廻戦ファントムパレード(開発:サムザップ)」等が挙げられる。
そして、同社は今後のゲーム事業のパイプラインを更新し、2025年中は「6本」の提供開始を目指すとしている。グローバル展開としては子会社Cygamesの代表IP『ウマ娘』の英語版配信が決定しており、こちらは「時期未定」表記で続報が待たれる。
また、延期が先日発表されていた人気IP「ちいかわ」単独タイトルは2025年春に、現在TVアニメが放送中のジャンプ作品『SAKAMOTO DAYS』のゲーム化も同じく2025年春に決定。その他、未発表の他社IPモバイルゲームの開発企画も6本ほど動いているようだ。
「ゲーム→メディア・広告」から「メディア・広告→ゲーム」へ、利益支える構造の変化図る
昨日紹介したように、同社はABEMA関連事業で再び四半期黒字化を達成し「FY2025は、メディア&IP事業が利益貢献を開始IP事業等を強化し、高収益なビジネスモデルを目指す」としている。2024年まではメディア事業で加算だ先行投資を大ヒットした『ウマ娘』と広告でカバーしていたが、今後は方針を逆転し「メディア&IP事業と広告事業で利益を積み上げゲーム事業でヒットを狙う」としている。
2025年度通期では、売上高8200億円、営業利益420億円を目標に掲げる。1Q時点で売上進捗率24.9%、営業利益進捗率19.8%となり「順調なペース」(同社)だと評価している。