アニメ制作会社は版権で稼げると強い IGポート、制作事業は“赤字7億”も半期決算で増益を記録
「Production I.G.」「WIT STUDIO」などで知られるアニメーション制作大手のIGポートは1月10日、2025年5月期の半期(2024年6月1日~11月30日)決算を発表。
売上高は前年同期比47.0%増の76億8900万円、経常利益は同10.7%増の8億3038万円と増収増益を記録(中間純利ベースでは税金費用増加で減益)。一方で、第2四半期単体での売上高は14.2%減、営業利益も28.2%減となった。
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版権事業は「ネトフリ配信作品」完全出資で大幅成長
大幅な増収の背景には版権事業の成長が挙げられる。同社はアニメーションの制作スタジオとしての側面に加え、アニメ作品へよ個別出資を行っており、ライセンス収益や参画する委員会配分などを「版権事業」として取り扱っている。特に、直近第1四半期では、同社が100%出資していた、Netflix独占配信のリメイクアニメ『君に届け 3RD SEASON』の配信収入を一括で計上したのとで売上高は同345.6%増の20億5467万円を記録していた。
第2四半期でも「ハイキュー!!」劇場版の興行収入、「進撃の巨人」シリーズの海外販売収入などが寄与し、売上高は同169.5%増の28億3,261万円、営業利益は同154.7%増の12億7,599万円と引き続き高い水準で推移している。
アニメ制作を主とする映像制作事業は「怪獣8号」など複数作品の納品により売上高は前年同期比18.5%増の33億1,849万円と増収だったが、前期に引き続き一部作品の制作期間長期化やCG制作費、クリエイターの外注費の高騰で大幅減益に。6億9,909万円の営業損失を計上した。
その他出版事業は刊行スケジュールの変更などにより減収減益となったが「魔導具師ダリヤはうつむかない」「転生貴族の異世界冒険録」などの既刊コミックスは好調に推移しているという。通期業績予想について同社は、売上、経常ともに9.7%増〜24.5%増の増加を見込んでおり、特に経常利益は過去最高益となる見通し。