サイバーA、アニメ制作会社を新設 海外依存に長時間労働…課題や閉塞感を「技術力で打破」意気込む


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サイバーエージェントは10日、新たなアニメ制作スタジオ子会社として「株式会社CA Soa(シーエーソアー)」を設立したことを発表した。代表取締役社長には「機動戦士ガンダム」「境界戦機」などでエグゼクティブプロデューサーを歴任した小川正和氏が就任する。

新設されたCA Soaでは、グローバル市場で通用する高品質な日本発アニメ作品の制作を目指す。代表就任を受けて小川氏は「私自身アニメーション業界に携わって20年を超えましたが、そのまばゆいほどの光の陰で実際の制作現場においては作業工程の海外依存や長時間労働など様々な問題が山積していると感じています」「アニメーション業界に漂う閉塞感をクリエイターの方々と共に新たな技術力で打破し、これからも世界に通用する魅力ある作品を生み出していきたい」とコメントしている。

日本のアニメ市場は近年急速な成長を続けており、一般社団法人日本動画協会の発表によると、2023年の国内外市場規模は3兆3,465億円(前年比14.3%増)を記録。3年連続で過去最高を更新している。このような市場拡大を背景に、サイバーエージェントは2017年にCygamesと共同でアニメIP投資ファンド「CA-Cygamesアニメファンド」を設立し、アニメ事業に本格参入。

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サイバーエージェント 事業一覧(IR資料より)

メディア事業で展開する「ABEMA」ではアニメを前面に押し出したラインナップ展開を行っているほか、2024年2月にはアニメ&IP事業本部を起ち上げ。近日公開予定となる「プロジェクトセカイ」アニメーション映画化をプロデュースするなど事業展開を進めている。

同社は当面東京都渋谷区に本社を置き、今春には練馬区に制作拠点となるオフィスを開設する予定。中途採用なども開始している。

著者 編集部 経済・社会担当
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