コーエーテクモ、副業の投資で過去最高収支「的確な運用」がコミット 本業のゲーム開発の減収減益を相殺

コーエーテクモホールディングスは27日、2024年3月期の第3四半期(2023年4月~12月)の連結決算を発表した。主力となるゲーム事業が既存タイトル中心の販売になったことから、売上高は前年同期比14.0%減の525億7000万円、営業利益は同25.8%減の150億7500万円となった。
一方で、同社は投資事業による営業外収支が非常に多いことで知られており、今回第3四半期累計で過去最高を記録したことがわかった。短信では「市場環境も安定して推移する中、金融市場を注視しながら的確な運用を行ったこと」によりコミットしたといい、結果として純利益は同3.6%増に転じ、本業の減収を相殺した。
主力のエンタテインメント事業では、パッケージゲーム『三國志8 REMAKE』を10月に発売し、当四半期中の販売本数は20万本を記録。12月には『FAIRY TAIL2』を発売し、当月中に12万本を売り上げる手堅い人気を示した。また、今月発売された『真・三國無双 ORIGINS』の体験版は130万ダウンロードを突破。同タイトルは会計期間外であったため、業績に加味されておらず、第4四半期以降における新作タイトルの期待感を含ませていた。
スマートフォンゲーム事業では、運営中タイトルが安定して収益に貢献。新たに戦略シミュレーションゲーム『キングダム 覇道』の開発を発表した。IPライセンス事業では、『三国志・戦略版』(国内名:『三國志 真戦』)が引き続き収益に寄与している。
アミューズメント事業は既存店売上高が好調に推移し、不動産事業では「KT Zepp Yokohama」が高稼働を維持。その他事業ではベンチャーキャピタル事業におけるファンド管理費用が発生した。
なお、通期の連結業績予想については、第4四半期の新作タイトル展開を予定していること、投資活動における金融市場の動向を考慮して当初予想を据え置いた。業績は売上高は6.4%増を、営業利益は5.3%増を、経常利益は12.6%減をそれぞれ見込んでいる。