公取委、アニメ制作現場の実態調査「無理なリテイク」「契約書がない」不利益被った事例の提供呼びかけ


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公正取引委員会は29日、映画・アニメ分野のクリエイターと制作会社間の取引適正化に向けた調査の一環として、問題事例に関する情報提供を呼びかけた。同日に開設したフォームより情報提供を求めている。

この取り組みは、公取委が「現在、クリエイター個人の創造性が最大限発揮される取引環境を整備すること」を目的とする実態調査の一環で行われているもので、「問題と思われる事実」に関する情報を持つクリエイターやその他関係者からの情報提供を広く求めている。(情報提供は匿名でも可能だが、詳細確認のため公正取引委員会から連絡する可能性があるため、可能な限り連絡先の記載が望ましいとのこと)

なお、ここでの問題と思われる事実として「契約書や発注書面がない」「発注者から一方的に著しく低い対価を押し付けられた」「理由もないのに発注を取り消された」「報酬なく無理なリテイク(やり直し)を依頼された」無理なスケジュールを押し付けられた」などを挙げている。

個人クリエイターと元請けとの間における取引適正化に関しては、昨年10月に判明したVTuber「ホロライブ」を展開するカバー株式会社が下請代金支払遅延等防止法違反勧告を受けたことが当時、大きく話題に挙がった。こちらの事例ではVTuber動画制作用のイラストや3Dモデルを制作委託した下請事業者23名に対し、合計243回にわたり不当な無償でのやり直しを要求していたことが分かっており、カバー側はコンプライアンス強化と再発防止に務める意向を示していた。

著者 編集部 経済・社会担当
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