自社開発チップ搭載×最大367インチ投影。最新ARグラス「XREAL One」進化点や使い勝手をハンズオンレポ
ARグラスメーカーのXREALから最新モデルとなる「XREAL One」が1月17日に発売されます。ここでは発売を前に注目ポイントや前モデルからの使い勝手の変化を紹介します。
XREAL Oneは、メガネ型ディスプレイを用いてパソコンやスマートフォンの映像を投影する、いわゆるARグラス(スマートグラス)と呼ばれるガジェット。価格は69,980円(税込)。AR業界で初と謳う自社開発の空間コンピューティングチップ「XREAL X1」を搭載することで、性能の大幅な向上を図っているようです。
視野角が向上、超ワイドディスプレイ風の映像体験が可能に
XREALはこれまでLightやPro、Air、Air2など多様なモデルを投入していましたが、今回の「XREAL One」では50度の視野角(FOV)と最大367インチの大画面表示を実現しできることが大きな特徴として挙げられます。現行の上位モデルであるXreal Air 2 Proは46度であるため、4度ながらもすぐに差を感じられるほどの違いを感じました。
ただ、スマートグラスのプロモーションでよく用いられているような↓の画像を想定するのは禁物。類似製品を使ったことがある方であれば理解できると思いますが、視野角50度ではまだまだ改善の余地があり、その点はご注意ください。また、Oneの上位機種にあたる「One Pro」はさらに広い57度ですが、現時点で日本展開は未発表。今後発表される可能性を取る場合、Oneは少し考えたほうが良いかもしれません。
グラス単独で3DoF対応。使い勝手が劇的に向上
そして、Air 2シリーズからの大きなアップデートとして、グラス単体で3DoF(3軸移動)を活用した映像体験が可能になったという点があります。これまでのモデルでは3DoF、つまりグラス内での投影画面固定を行うにはWindowsやMacに専用ソフトをインストールしたり、別途デバイス「Beam」を用意したりする必要がありましたが、XREAL Oneは自社開発チップを搭載したことで、スタンドアロンで動作するように。
そのため、接続周りがスマートになったことで、取り回しが非常にラクになり、使い勝手がかなり向上していました。グラス本体には「つる」に複数のボタンが用意されており、画面固定のオンオフ、画面輝度などを調整することができます。投影画面をグラスの動きに合わせて追従させたり、特定の場所に固定したりすることがより簡単にできるようになっていました。
ただし、Nintendo Switchなど、単独で映像を出力することができない場合は引き続き何かしらのデバイスを挟む必要があるため、ゲーム機の利用をメインに考えている場合はその恩恵は受けづらいかもしれません。
映像面に関しては、現行モデルから引き続きで、暗転度合いを段階的に調整することができるため、物理的なカバーを必要としないのはスマートです。ただ、使ってた感じだと、グラス部の構造が変わったためか、暗転時でも視野下部に外界がやや反射されることがありました。
このほか、音響面でもアップデートが行われており、音響ブランドで知られる「BOSE」との共同チューニングによるスピーカーを搭載することで立体感のある音質を実現。実際に使った感じですと、これまでやや弱かった低音域が若干改善したように思えました。
価格は税込69,980円と、これまでの廉価モデルと比べると高値にはなりますが、数万円相当の機能が軽量な筐体に備わると考えると、多用する方には魅力的ではないかと感じました。なお、Switchを投影する際に必要なXREAL Hubとのセットでは72,960円で販売されています。
XREAL One 製品情報
重さ:82g(ノーズパッド無し)
サイズ:151.6*51*167.5 (展開時)、151.6*51*52(収納時)
色:ブラック
プロセッサ:XREAL X1
通信:最低3ms遅延
空間機能:全ホストデバイス映像入力を3DoF表現、画面固定やブレ補正、ワイドスクリーンなど
解像度:片目 1920*1080 (フルHD)
FOV:50°
リフレッシュレート:最大120Hz全モード90Hz
ディスプレイ:Sony 0.68型 OLEDマイクロディスプレイ
バーチャル画面サイズ:147〜367インチ(4m〜10m距離)
輝度:600nit(明るさ増強モードのみ)
色標準化:個別キャリブレーション、Delta E ≤ 3
エレクトロクロミック調光:3段階
モード切り替え:OSDメニュー
瞳孔距離:ソフト調整(一部の視野角を変化による調整)
前フレーム:取り外し可能
テンプル:3段階調整,±3.5°
オーディオ:Sound by Bose ステレオ音響
マイク:4アレイマイク配置