OPPO久々の高性能スマホ「Find X8」を試す 名門ブランド協業のカメラが魅力、だからProも欲しかった【クイックレビュー】
オウガ・ジャパンは11月、スマートフォンブランドOPPOより最新のフラグシップ端末「Find X8」の日本市場展開を発表、12月12日より順次販売を開始しました。OPPOとしてはの実に2021年のFind X3 Pro以来の新型ハイエンドとなる本機。使い勝手をハンズオンレビューとして簡潔にご紹介します。
海外発表されていたFind X8シリーズの標準モデルとして展開されている本機はAmazonなどで128,000円程度〜販売中のほか、キャリア販売ではauとIIJmioが取り扱いを行っています。
実際に手にとってみると、約200gという比較的軽い重量ながらも、アルミニウムフレームを基調としたボディが高級感を演出しており、iPhoneに近いような仕上がりになっています。背面には丸型のカメラバンプに3つのカメラが搭載されています。一見すると4つあるかな?と思いますが一番下はダミーです。
OSは独自カスタムのColorOSを搭載しており、ロック画面だけ見れば、デザインも相まってあれ?iPhone?と間違えてしまいそう。また、競合の機種と比べると、端末がかなり薄いのがポイント。これはカメラ部に世界初と称する「W型プリズム」技術を搭載することで、カメラ性能を保ちつつも限りなく最薄部に近い厚さを実現しているそうです。
ディスプレイは6.8インチの有機ELを採用。極薄のベゼルも特徴的で、動画視聴などではかなり没入感のある体験ができる印象てま、リフレッシュレートは最大120Hz対応、画面内指紋認証も搭載しています。その他機能では防水・防塵性能はIP68を取得するなど、実使用上でも過不足ない性能になっている一方で、おサイフケータイには非対応。価格帯を考慮するとと搭載してほしいところです。
Hasselblad協業カメラは自然味あるクオリティの写真を撮れる
メインカメラには5000万画素の広角カメラと4800万画素の超広角カメラ、3200万画素の望遠カメラからなる三眼構成を採用。広角は絞り値F1.8で、暗所でも比較的明るく写るほか、望遠カメラには5倍光学ズームと最大50倍のデジタルズームが搭載されるなど、幅広い用途に対応しています。
なお、本機の最大の特徴であるのが、スウェーデンの名門カメラブランドHasselbladと協業している点。HNCS(Hasselblad Natural Colour Solution)などのカラーマネジメントシステムの知見が応用された色彩技術「マスターモード」を搭載しており、現実の色彩を忠実に再現するHasselbladの特徴を反映した仕上がりが可能になっています。
実機を使い撮影してみたところ、他の同価格帯の機種と同様、昼間は本格的なカメラと見劣りしないクラスのクオリティに。適度に明るい環境だからこそ、彩度が高く自然な色味が出ていました。近年のフラグシップ帯はLEICAやZEISSといった名門ブランドとコラボすることが多く、昼間の撮影であればもはや好みの問題になるでしょう。
暮れから夜にかけての時間に撮影してみても特に目立った劣化はなく、より大きなセンサを搭載した端末と比べても遜色ない印象。また、この時期にかけて多いイルミネーションのシーンでも大きな白飛びは発生せず、ポートレート撮影でも自然なボケを再現可能です。
一方で本機に限った話ではありませんが、広角以外はセンサの都合上劣化が発生します。特に低照度+望遠使用時にはディティールが劣るものの、AIを活用した補正やHDRが過度な劣化を補っているため、SNSに投稿する用途としては許容できるクオリティになっていると感じました。
また、全ての構成で5,000万画素以上を採用しているため、「とりあえず撮ってあとから拡大…」といった使い方もできる、便利な仕上がりになっていました。
欲を言えばProが欲しいが「手軽に使えるカメラスマホ」として◎
ブランド協業のカメラを搭載しつつ、デザインも魅力的、処理性能も十分でかなり魅力的な一台に仕上がっている一方、日本市場でのラインナップに上位モデルの「Find X8 Pro」が含まれない点についてはどうしても惜しい…!と感じます。
既に中国国内で上位機種として販売されているProモデルはカメラ構成がダブル望遠の四眼構成となっていたり、今年発売されたiPhone 16に搭載された「カメラコントロール」に似たシャッターボタンを搭載していたりと、さらなる機能強化が図られていました。
そのためハイエンドスマートフォンを求めるユーザーにとっては「上位機種の選択肢が欲しかったな」というのが正直なところです。ただ、Find X8(無印)は重量が20g以上軽くボディもやや小さいため、機動性が高いというサイズ感はProにはない魅力。
日本国内はフラグシップ帯のAndroid端末の人気は高くない上に、12万円を上回る高値の価格設定ではiPhoneやXiaomi Ultraといった競合も無視出来ず、無印のみの展開でターケットを絞るのはメーカー側としては合理的なのかもしれません。