9割9分の人が理解できていない【5Gの本質】と【5Gで世界は激変しない理由】を現役高校生が解説してみた。


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皆さんこんばんは。今日は超真面目な話をします。↓目次。

最初に結論。

最初に一番言いたいことを言います。5Gで大して未来は変わらないと思います。

なぜそうなるのか。これから解説・予測していきます。

【超重要】5Gとは?

5G で~云々の話をするにはまず5Gに関する本質的な部分の理解が必要不可欠です。なのでまずは5Gとはなんぞや?ってところから話します。

5Gとは第5世代移動通信規格の略称です。皆さんがいつも使ってる移動通信規格は4GとかLTEですよね。その系譜です。(LTEは3.9Gとも言われますが。)

このことは多くの人が知っているのではないかと思います。また前提としてwi-fiとも違うってことも多くの人が知っていますよね。

いちばん大事なこと!

ここで多くの人が勘違いしていることがあります。それはどこからどこまでが5Gの話なの?ってことです。ここを理解することが5Gのすべてを理解することの第一歩です。

ズバリ5Gとは通信端末⇔通信基地局の話です!

クソデカ文字で書いてすみません。ですがそれほど大事なことであり、多くの人が勘違いしてることなんです。

ペンタブのペンをなくしたのできれいに書けませんでした。感覚で分かれ!

通信基地局とドコモやソフトバンクなどの通信会社が所有する電波塔みたいなものです。スマホなどで通信する際、一旦この基地局を通してあります。

つまりインターネットとは直接関係しません。間接的には関係しますが。だからどうしたんだってなると思います。なので次は移動通信の基礎と交えてお話します。

※基地局はだいたい数kmごとに立ってます。↓みたいな塔です。マンションの上とかによく立ってます。

巷で言われる「爆速10GB/s!」の闇。

よく携帯会社とかがCMで5Gは映画が数秒でダウンロードできるほど超高速!!!!!と謳ってますよね。ですがこの話、99%嘘です!

なぜ嘘なのか。1%はホントなのかについて詳しく解説します。

通信速度10GB/sの条件

5Gは最大で一秒間に最大10ギガバイトの転送を行えます。理論上。

なぜ理論上なのか。さっきの下線部の説明に情報が足りてませんね。付け足します。

1台の端末が1つの基地局に接続した際最大で10ギガバイトの転送が行なえます。
上記の条件がある場合、爆速っていう話は本当です。これが1%はホントだという話です。ですがそのような条件が達成できる環境は存在しません。
次に移動通信の基礎について考えます。先程、私は基地局について以下のように説明しました。
通信基地局とドコモやソフトバンクなどの通信会社が所有する電波塔みたいなものです。スマホなどで通信する際、一旦この基地局を通してあります。※基地局は数kmごとに立ってます。

たとえば、ドコモが周囲3キロメートルの通信を担ってる基地局を保有してるとします。さて、周囲3キロメートル圏内に何人のドコモ回線契約者が存在するでしょうか。日本の人口密度とか契約数とかを考えると、平均して100人くらいがその基地局を利用する計算になりますね。

はい。感がいい人ならもうわかったと思います。1台のみで通信するとき10GB/sってことは100台と通信するなら10GB÷100台=100MB/sです。

定額通信の光回線がだいたい早くて300~400MB/sです。つまり光回線のほうが早いです。

更に都市圏の場合・壁貫通とかによる電波消費が大きい場合…といろいろ考えると、更に遅くなりますね。携帯会社は国の機関ではないので利益のことを考えると1台のみの通信はまずありえないのです。

これが5Gの高速通信のCM闇です。

迷惑客?

実はもう一つとても重要な映画が数秒でダウンロードできるはずがない理由があります。

それは、数ギガ級の速度で(動画ファイルを配信している)サーバーにアクセスできるはずがないやろ!ってことです。そんな通信許可してたら莫大なトラフィックになるからです。(DDoSと勘違いされそうw)

どんなにスピードテストの結果が早かろうが、サービス提供者側の都合があるんだからダウンロードスピードは今と変わらないってことです。

詳しくは「5Gで打撃を受ける業界」をご覧あれ。

ネットニュースとかの実測結果は?

ネットニュースでスピードテストで800MB/sくらい出ました!って言う記事を見た方多いと思います。(私も見ました)ですがこれにもカラクリが。

5Gの対応エリアは大手三社ですら羽田空港の一部だったり、販売ショップの周辺くらいの範囲でしか提供できておらずそのなかで果たして何人利用者がいるでしょうか。100人もいませんよね。

所詮5Gの商業化は実験段階です。これを念頭に記事などを読んでください。

そもそも論。

全国民の90%以上が知ってることではありますが、移動通信は従量課金制です。

俗に言うギガ=通信容量ってやつです。電波消費がある以上仕方ないですが。

映画をダウンロードってw外でやらんでええやんwww 結局はこれに帰着するんです。

※最近、固定回線のISPを契約しない若者が多いらしい&楽天が無制限プラン出したらしいですけどそいつらの話を盛り込むとまためんどくさくなるので省略します。

5Gのメリットについて

いろいろ話してきましたがこれまであまりいい話をしてきてませんよね。じゃぁメリットあるのかよ。って思うかもしれません。なので私なりの5Gのメリットをお話します。

低レイテンシ

なんと言ってもレイテンシ(=遅延)の低減が5Gで期待されてますね。

簡単に言うと読込中のくるくるが短くて済みます。

←これ。

またまた前提の話なんですがWebページを見たり動画を見たりするにはまず、俺この情報ほしいねん。」っていうリクエストを送信する必要があります。

ですが今の4Gですと、このリクエスト送信が時間がかかるんですよ。

レイテンシについて図解すると次のようになります。わかりづらくてすんません。

ですが低レイテンシについても注意が必要です!その理由については「5Gで打撃を受ける業界」でご紹介します。

通信料金の低価格化。

個人的に5Gの最大の特徴はより多くの端末を基地局が受け持てるであると思います。

さっき説明したように、複数の端末が基地局と接続しているわけですが、通信できるキャパシティが広がるってことはより多くの端末を接続することができますよね。

じゃぁなぜ低価格化につながるのかと言うと、以下のようになると予想します。

現状、同じエリアを一つの基地局で受け持っているわけはないんです。複数の4G基地局を使ってエリアをカバーしています。ですが5Gになり一つの基地局でカバーできる端末が増えると、多くの基地局を設置せずに済む=ランニングコストが減るってなります。

結果として通信価格の低下につながるのではないかと予測しました。ただし5Gの基地局設置の初期投資云々の問題がありますので価格低下はもうちょいかかると思います。

5Gで恩恵を受ける業界

5Gが広まることで恩恵を受ける業界はどこになるでしょうか。と考えるとやはり動画配信業界

よりリアルタイム性が増してリアリティのある配信になったり、カメラが4K映像を移動通信で送信できるようになればますます。

意外とあの業界も?

特にTV業界もメリットを受けると思います。↑の話とかぶるのも多いですけど。

ぱくたそさんのやつです。ありがとうございます。

多くのカメラを使ったりするスポーツを中継する際、いろんなカメラの映像を送るため、TV会社が「移動中継車」という衛星基地を配置する必要があるのですが5Gの導入でレイテンシが短くなったり通信容量が増えたりすることで直接TV局に送ることができて、中継車が要らなくなるかもしれません。

そういった点だと、TV局もメリットあるのではと予測します。

5GでVRが発展するってドコモが言ってたよ。

はい。私もCMでみたんですけど「5Gを使うことでVRが発展するよ!」っていうCMを流してたのですが翌々考えてみてください。外でVRしませんよね?やるなら家。家だとWi-fiだろ。

ってことで5Gはあんま関係なさそうですね。(もちろんさっき述べたみたいに多くのカメラを使ったりするライブイベントとかでは多少活躍するかもしれません。)

あとは、、、

あと考えると医療業界も進歩するかもです。

一見関係ないように見えますがローカルエリア内での5Gの運用だと基地局云々の話はなかったことにできるので超大容量通信が可能になります。なので遠隔操作で治療したり~とかもできる未来はありそうですよね。

映像業界とTV業界が有利かも?

5Gで打撃を受ける業界

一番打撃を受ける業界はおそらく動画配信業界であると予測します。

あれ?てめぇさっき動画配信業界は恩恵を受けるんじゃねぇのか?ってクレームが来るかもなので今のうちに行っときます。動画配信業界は恩恵も大いに受け、打撃も大いに受ける業界だと思います。

ここで前に書いた、映画の話とレイテンシの話が絡みます。

5Gが普及することで動画配信サービスはこれまでよりも更に多くのリクエストを処理しないといけなくなり、また、大量の動画データを取り扱うことになるのでトラフィック(通信量)が急激に増加する可能性があります。

すべてオンプレミスでの運用をするほどの潤沢なベンダーがある会社(=ex. アマゾンプライム・YouTube)だと恩恵を受けられ、AWSやAzureといったIaaSを利用する会社(=ex. ドワンゴ)などでは大きな打撃を受けかねません。

※IaaSとはインフラストラクチャー・アズ・ア・サービスの略でサーバーやクラウド領域などを提供する事業者のことです。通信量に応じて利用金額が変動するプランが多いです。

要は資本力で更に差がつく可能性があるってわけです。(某ニコニコ動画も一部動画配信にAWSのEC2を使ってるらしい)

雑魚な動画配信サービスはどんどん潰れるでしょう。潤沢な資本を投じるかが存続への課題になる可能性大!

まとめ

以上これまで話してきたような

  • 移動通信の仕組みによる実情
  • サービス運営者の取り巻く環境

を加味して考えると、5Gは多くの人が思ってるほど未来は変えられないのではないかという結論をここで出しておきます。

いろいろテクノロジーとそれを取り巻く社会の変化を予測すると楽しいですよね(笑)

皆さんも是非この記事を参考にしていろいろ「予測」してみてはいかがでしょうか。最後までありがとうございました。

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市井

著者 市井
オタク総研媒体統括 兼 合同会社サブカル通信社執行役社長。専門領域はアニメ、テクノロジー(ガジェット)、プログラミング、コンテンツビジネス。PRプランニングやIP調達なども担当しています。新作アニメ、海外スマホ、東南アジア好き。