世界最速謳うスマホCPU「Snapdragon 8 Elite」発表 性能報告ではアップルA18を凌ぐ威力発揮、電力や発熱は課題
アメリカの半導体大手クアルコムは23日、モバイルSoC(Socket on Chip)「Snapdragon 8 Elite」を発表した。同社が独自開発した次世代CPU「Qualcomm Oryon」を初めて搭載し、世界最速のモバイルシステムオンチップ(SoC)を実現。スマートフォンへの搭載を予定している。
新プラットフォームには、第2世代のOryon CPUに加え、Qualcomm Adreno GPUおよび強化されたQualcomm Hexagon NPUが搭載。現行モデルである「Snapdragon 8 Gen3」比でAI機能の実現や、カメラ性能の向上、ゲーミング体験の強化、高速ウェブブラウジングなど、多岐にわたる性能向上が図られたという。
すでに一部のユーザーからはSnapdragon 8 Eliteに対してベンチマークテストを行った結果が共有されており、Geekbench 6のシングルコアCPUテストでは先日発表されたばかりのMediaTek社製「Dimensity 9400」よりも高い数値を記録、アップル社のApple A18 Proには及ばなかったとしつつもマルチコアテストではCoreの増強が寄与したのか他社を突き放した。
一方で、かねてより「snapdragon 8」シリーズで指摘されていた、高性能ゆえの電力効率の面では課題も見られたという。Geekbenchのマルチコアテスト実行時の消費電力はA18 Proを大きく上回る結果となったほか、Dimensity 9400よりも電力効率が低い結果に。各メーカーでの冷却性能の対応が大きく性能に左右されそうだ。
クアルコムの担当者は「Qualcomm OryonをSnapdragonモバイルプラットフォームに初めて搭載できることを大変嬉しく思います。今年初めにPCで発表した際には、驚くべき体験と比類のないバッテリー寿命を実現し、業界に活力を与え、消費者の注目を集めました」と自社チップセットでの製造をアピールした。新プラットフォームを採用したデバイスは、ASUS、Honor、iQOO、OnePlus、OPPO、RealMe、Samsung、Vivo、Xiaomiなど主要メーカーから今後数週間のうちに発売される予定だ。